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ラブカルチャースクール 3
第11章 Lesson ポジティブ

ヤナセは少し目を伏せるとヘーゼルの瞳に長い睫毛が影を落とし、憂い気な表情がますます色っぽく見える。
「まだ改正が決定していない今の段階で……琴海さんを不安にさせるようなことを申し上げてすみません……」
普段耳触りの良い低い声を重々しく響かせながら、ヤナセは再び組んだ手をグッと握った。
掟の話になると、ヤナセはいつになく切なそうになる。
きっとこれから女性講師が担う宿命を、自分事のように受け止めてくれているからだろう。
確かにこれから起きることは、想像を遥かに超えていくことかもしれない。
だけど――――セイジに恋をした時、一生叶わない想いと秘めて生きて行こうと思ったのに……
未来に希望を与えてくれたのはヤナセだ。
だからこそ、どんなことも頑張れると思って、ここまで頑張ってこれたのだから―――――。
「いえ……ヤナセさんの仰るとおりですし、遅かれ早かれなことだと思います。つまり改正後に懸念されることが、早く起こり始める……ていうことですよね?」
「……はい……その通りです」
やっとアラタの謎の発言の意味が少し分かった気がする。
『掟改正』の噂を聞きつけたアラタは、このラブカル独自ルールの重さも理解しない内に、先手必勝で動き出してしまったのだろう。
そして手っ取り早く、レッスン担当の私からアプローチを始めたんだ――――。
意味が解ってレッスンを思い返すと、かなり複雑な気持ちになる。
口をへの字にして顰めっ面になってしまうと、そんな私にヤナセは苦笑いしたけど、さっきまでの切なそうな顔じゃなくなったのは嬉しく思えた。
「まだ改正が決定していない今の段階で……琴海さんを不安にさせるようなことを申し上げてすみません……」
普段耳触りの良い低い声を重々しく響かせながら、ヤナセは再び組んだ手をグッと握った。
掟の話になると、ヤナセはいつになく切なそうになる。
きっとこれから女性講師が担う宿命を、自分事のように受け止めてくれているからだろう。
確かにこれから起きることは、想像を遥かに超えていくことかもしれない。
だけど――――セイジに恋をした時、一生叶わない想いと秘めて生きて行こうと思ったのに……
未来に希望を与えてくれたのはヤナセだ。
だからこそ、どんなことも頑張れると思って、ここまで頑張ってこれたのだから―――――。
「いえ……ヤナセさんの仰るとおりですし、遅かれ早かれなことだと思います。つまり改正後に懸念されることが、早く起こり始める……ていうことですよね?」
「……はい……その通りです」
やっとアラタの謎の発言の意味が少し分かった気がする。
『掟改正』の噂を聞きつけたアラタは、このラブカル独自ルールの重さも理解しない内に、先手必勝で動き出してしまったのだろう。
そして手っ取り早く、レッスン担当の私からアプローチを始めたんだ――――。
意味が解ってレッスンを思い返すと、かなり複雑な気持ちになる。
口をへの字にして顰めっ面になってしまうと、そんな私にヤナセは苦笑いしたけど、さっきまでの切なそうな顔じゃなくなったのは嬉しく思えた。

