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ラブカルチャースクール 3
第11章 Lesson ポジティブ
「琴海さん……噂を広めた黒幕が居るかはまだ、予測の範囲でしかありません」

黒幕の存在に動揺する私とは違いヤナセは至って冷静で、穏やかに微笑みすら浮かべている。

その微笑みに――『何があっても大丈夫』との安心感が自然と込み上がってきた。

本当に凄いなヤナセって……微笑んだだけで不安を消し去ってくれる――――。

「ヤナセさん、さっきも言いましたけど私に出来ること何かありませんか?」

きっとヤナセにしたら、私なんかの小さな手なんてなくても大丈夫なのだろうけど、些細なことでもいいから役に立ちたい。

ジッと見上げるようにヤナセを凝視すると――――ニッコリとヤナセは輝くばかりの微笑みを放ってきた。

「はうっ!!」

余りの眩しい微笑みに目が潰れるかと思って、咄嗟に腕を真横にして目を覆ってしまう。

実際光なんて発していないのに、反射的にそこまでさせるヤナセのパワーに圧倒される。

「琴海さん……如何されましたか?」

自分の笑顔が私の奇行の原因と解っているのか、いないのか――

何もなかったようにヤナセは平然と聞いてきた。

「うっ……ちょっと、持病の癪が……」

『癪=妄想』ではあるが、ある意味本当かもしれない。

そんな苦しい誤魔化をしたのが運の付き――――

「癪ですか……念のために、診ましょうか?」

「え……?」

ガタッ――
静かに椅子を引き、ヤナセが流れるような動きで私の座っている方にやって来る。

「癪とは……突然、胸や腹が痙攣  を起こして痛むことです……どこか苦しいところございますか?」

雲行きが物凄く妖しくなってきた――――。

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