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ラブカルチャースクール 3
第14章 Lesson お忍び

変わらぬアンティーク調の佇まいは、見ているだけで心を和ませてくれる温かさが滲み出ている。
講師になる前――何度も通った場所なのに、研修が始まってからは一度も来られていなかったのもあってか、少し緊張してしまう。
ドアが開く前に、ヤナセに気付かれないように小さく深呼吸していると
「琴海さん……お先にどうぞ」
先に中に入るように薦められた。
「え、私が先ですか?」
ヤナセの背中からひょっこり出るつもりでいたのに、自分が先に顔を見せるとなると妙に照れ臭い。
だけど敢えてヤナセが私を先にしてくれた気持ちは、何となく分かる。
「ありがとうございます……ドア開けますね」
はにかみながらそう言うと、ヤナセは優しく微笑み返してくれた。
ドアノブに手を掛けてゆっくり押す――――。
カラ~ン……コロ~ン……
ドアに取り付けられた呼び鈴が、可愛らしい音で来客を告げてくれる。
「いらっしゃいませ~。あら~琴ちゃん! 久しぶりね~」
出迎えてくれたのは、喫茶店の店長の奥さん。
相変わらず温かい笑顔の、胸がほっこりとしてくる。
「こんばんは。ご無沙汰しています」
「うふふ~。琴ちゃん、しばらく見ない内に、大人びたわね~」
「え……そうですか? スーツだからですかね?」
一応もうアラサーなのだけど、奥さんからしたら私はいつまでも子供くらいに見えるのだろう。
「ふふ、それもあるかもしれないけど、少し色っぽくなった感じがするわ~」
「えっ! 色っぽい……ですか?」
奥さんからの意外な言葉に動揺してしまったけど、流石人生の大先輩!
言わずとも何か感じ取っているのかもしれない。
講師になる前――何度も通った場所なのに、研修が始まってからは一度も来られていなかったのもあってか、少し緊張してしまう。
ドアが開く前に、ヤナセに気付かれないように小さく深呼吸していると
「琴海さん……お先にどうぞ」
先に中に入るように薦められた。
「え、私が先ですか?」
ヤナセの背中からひょっこり出るつもりでいたのに、自分が先に顔を見せるとなると妙に照れ臭い。
だけど敢えてヤナセが私を先にしてくれた気持ちは、何となく分かる。
「ありがとうございます……ドア開けますね」
はにかみながらそう言うと、ヤナセは優しく微笑み返してくれた。
ドアノブに手を掛けてゆっくり押す――――。
カラ~ン……コロ~ン……
ドアに取り付けられた呼び鈴が、可愛らしい音で来客を告げてくれる。
「いらっしゃいませ~。あら~琴ちゃん! 久しぶりね~」
出迎えてくれたのは、喫茶店の店長の奥さん。
相変わらず温かい笑顔の、胸がほっこりとしてくる。
「こんばんは。ご無沙汰しています」
「うふふ~。琴ちゃん、しばらく見ない内に、大人びたわね~」
「え……そうですか? スーツだからですかね?」
一応もうアラサーなのだけど、奥さんからしたら私はいつまでも子供くらいに見えるのだろう。
「ふふ、それもあるかもしれないけど、少し色っぽくなった感じがするわ~」
「えっ! 色っぽい……ですか?」
奥さんからの意外な言葉に動揺してしまったけど、流石人生の大先輩!
言わずとも何か感じ取っているのかもしれない。

