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ラブカルチャースクール 3
第14章 Lesson お忍び
ケーキの箱を受け取ったワタリは、ヤナセに軽く手を上げてお店を出て行った。

「じゃぁね~!」

カランと鈴を鳴らしてホズミが去ると、急に店の中は静かな空気になる。

「凄い存在感ですね」

「騒がしい……だけですが」

思わず呟くと、ヤナセは苦笑していた。

ベリーソーダのグラスを手に取ると、飽和した水滴が汗のように流れ落ちる。

お互い一口ソーダを飲むと、ヤナセは途切れた話を再び紡ぎ出した。

「琴海さん……先ほどの続きになりますが……」

「はいっ!」

ヤナセの振りに慌ててコップをテーブルに戻し、気を引き締めて背筋を真っ直ぐ伸ばす。

「アラタは……自発的に射精をしようとしました。クニミツの場合も……誰にでも起こり得ることです」

「はい……」

「もしかしたら……三人目のリクも、射精をするようなことがあるかもしれません」

「……はい」

『リク』の名前に、最初のレッスンでの余裕のある彼の顔が浮かぶ。

前職がバーテンダーのリク。

三人の中では一番気が利いていて自信がありそうだったけど、そんなリクでも射精してしまう可能性があるのかな――?

漠然とそんなことを思いながら、雫がグラスに描いた筋をぼんやりと見詰める。

「それでも……琴海さんが、気にすることはありませんから……心に蟠りを残さないで貰えたらと思います」

「あ……はい」

肩を竦めて聞いている私にヤナセは優しく微笑み、穏やかな口調で励ましてくれた。

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