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ラブカルチャースクール 3
第3章 Lesson チェリー
キュィィィ――――カチャ!

内側からドアのロックを解除すると、再び機械的な音に現実に意識を戻される。

講師の部屋とはいえ、個人情報だってあるだろうからセキュリティーが厳重だ。

世間のカルチャースクールでここまで徹底している所はあるのだろうか?

改めてラブカルの凄さをと厳しさを思い知らされる。

個人の部屋を与えて貰えるのは特別講師とごく一部の講師だけみたいで、ある意味講師たちの評価の一つにも思えた。

この部屋にいる時はスクール内でもプライベートを満喫できる空間――――

だけどこの部屋とレッスンの往復をひたすら繰り返す日々で、どんなことを思って過ごしているのだろう……。

「じゃぁ、戻るね」

「あぁ、戻り方分かる?」

「それくらいは分かるもん!」

「あはは! 冗談だよ!」

「もう~!」

弄ってくるセイジにぷぅと頬を膨らませると、凄く楽しそうに微笑んでくれた。

その笑顔に私もつられて笑い返す。

今まではセイジだけの空間に、私を入れてくれてようとしている――――

そう思ってもいいのかな……セイジ……。

「琴海が戻るまでにはヤナセに連絡しておくから」

「ありがとう!」

これからも会えるのに一時でも別れが名残惜しい。

でも――――

「行くね!」

私は満面の笑顔でセイジの部屋から飛び出した。

振り向くとドアが閉まりきるまでセイジは笑いかけてくれている。

キュィィィ――――カチャ!

ドアが閉まると静まり返っている長い廊下に、私は一人佇んだ。

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