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ラブカルチャースクール 3
第3章 Lesson チェリー

「早く戻らなきゃ」
タブレットを胸に抱きかかえるように持って、早足でエレベーターに向かう。
ヤナセがどういう意図でセイジの自室へ行かせてくれた真の理由は謎だけど、やっぱり嬉しかった。
レポート実習中にキスしてしまったのは良くないけど、セイジは承知の上で敢えてあそこまでしてくれた気がする。
無理に敬語を使って一線を引こうとした私に、せめてセイジの前だけでも素で居られるようにしてくれたのだろう。
あのままこれからもセイジにぎこちなく接していたら、私は『掟改正』まで精神的に持たないかもしれない。
だからセイジは――――
『一人で抱え込まないで……』
これからの背負う枷が少しでも楽になるように――――。
「ありがとう……セイジ」
ブラウスの襟元の下に隠れているハープ……『西洋琴』のチャームに手を当てて一人囁く。
セイジに殆ど会えなかった『マスターコース』のレッスン期間中、セイジがくれたこのペンダントが心の支えになっていたから自然と触るのが当たり前になっていた。
足取りを軽くして進んでいき、最初に曲がってきた角に差し掛かる。
角を曲がろうとした瞬間、人影が現れてぶつかりそうになった。
「きゃっ!」
「エクスキュズ、モア!」
えっ……英語? ――――じゃない!?
目の前には映るのは、スーツとお洒落なネクタイ。
明らかに背が高い男性講師だ。
一気に胸に不安を過らせながら、恐る恐る顔を見上げるとそこには――――
宝石のように綺麗で……
それでいて冷ややかな輝きを湛えた、ブルートパーズの瞳が光っていた。
タブレットを胸に抱きかかえるように持って、早足でエレベーターに向かう。
ヤナセがどういう意図でセイジの自室へ行かせてくれた真の理由は謎だけど、やっぱり嬉しかった。
レポート実習中にキスしてしまったのは良くないけど、セイジは承知の上で敢えてあそこまでしてくれた気がする。
無理に敬語を使って一線を引こうとした私に、せめてセイジの前だけでも素で居られるようにしてくれたのだろう。
あのままこれからもセイジにぎこちなく接していたら、私は『掟改正』まで精神的に持たないかもしれない。
だからセイジは――――
『一人で抱え込まないで……』
これからの背負う枷が少しでも楽になるように――――。
「ありがとう……セイジ」
ブラウスの襟元の下に隠れているハープ……『西洋琴』のチャームに手を当てて一人囁く。
セイジに殆ど会えなかった『マスターコース』のレッスン期間中、セイジがくれたこのペンダントが心の支えになっていたから自然と触るのが当たり前になっていた。
足取りを軽くして進んでいき、最初に曲がってきた角に差し掛かる。
角を曲がろうとした瞬間、人影が現れてぶつかりそうになった。
「きゃっ!」
「エクスキュズ、モア!」
えっ……英語? ――――じゃない!?
目の前には映るのは、スーツとお洒落なネクタイ。
明らかに背が高い男性講師だ。
一気に胸に不安を過らせながら、恐る恐る顔を見上げるとそこには――――
宝石のように綺麗で……
それでいて冷ややかな輝きを湛えた、ブルートパーズの瞳が光っていた。

