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ラブカルチャースクール 3
第15章 Lesson クッキー

以前少し教えて貰ったヤナセのお家事情はかなり、複雑そうだった。
ヤナセを気に掛けていた医師の叔父様――
意味深に絡んでくる従弟の涼雅さん――
そしてヤナセのことを慕っているだろう、アユネさん――
私はたまたまその三人の存在と関わったけれども、ジュリが知ったらどう思うのだろう?
今は知らぬが仏――なのかもしれないけど……。
「琴海さん……?」
「あっ! すみません。ちょっと考え事をしちゃってました」
ぼんやりと立ち尽くしている私に呼び掛けてきたヤナセの声に、ハッと我に返る。
「お疲れですかね? この後のジム……ご無理のないようにして下さいね」
「はい、気を付けます」
折角ヤナセがリフレッシュタイムを作ってくれたのに、気持ちを切り替えていかなきゃ意味がない。
ジムで心機一転のつもりで、しっかり身体を動かすことにしよう!
心の中で改めて、気合を入れ直した。
ジュリからまた連絡が届いたのか、ヤナセはメールを再び確認する。
「お三方とも……先に食堂に言っているそうですよ」
「分かりました。あのクッキーを……」
ヤナセにも貰ったクッキーを渡そうと、袋を開けかけると
「大丈夫ですよ……パンケーキも頂きましたし、多分ケーキも残っているかと思いますので……クッキーは皆さんで分けて下さい」
まるで奥さんの代わりのように、優しく微笑み掛けてくれた。
「はい! ありがとうございます!」
「クス……きっと皆さんも、奥さんのクッキーを気に入られるかと」
「そうですよね! 奥さんの作ったお菓子は、凄く美味しいですから」
今から三人の顔が綻ぶ姿を想像するだけで楽しくなる。
「今日は本当に、ありがとうございました!」
「いえ……こちらこそ、久々にマスターにお店に行けて楽しかったです。では……また後程」
「はいっ!」
私はヤナセに深々とお辞儀をすると、クッキーの袋を抱き締めて、食堂へ急いで向かった。
ヤナセを気に掛けていた医師の叔父様――
意味深に絡んでくる従弟の涼雅さん――
そしてヤナセのことを慕っているだろう、アユネさん――
私はたまたまその三人の存在と関わったけれども、ジュリが知ったらどう思うのだろう?
今は知らぬが仏――なのかもしれないけど……。
「琴海さん……?」
「あっ! すみません。ちょっと考え事をしちゃってました」
ぼんやりと立ち尽くしている私に呼び掛けてきたヤナセの声に、ハッと我に返る。
「お疲れですかね? この後のジム……ご無理のないようにして下さいね」
「はい、気を付けます」
折角ヤナセがリフレッシュタイムを作ってくれたのに、気持ちを切り替えていかなきゃ意味がない。
ジムで心機一転のつもりで、しっかり身体を動かすことにしよう!
心の中で改めて、気合を入れ直した。
ジュリからまた連絡が届いたのか、ヤナセはメールを再び確認する。
「お三方とも……先に食堂に言っているそうですよ」
「分かりました。あのクッキーを……」
ヤナセにも貰ったクッキーを渡そうと、袋を開けかけると
「大丈夫ですよ……パンケーキも頂きましたし、多分ケーキも残っているかと思いますので……クッキーは皆さんで分けて下さい」
まるで奥さんの代わりのように、優しく微笑み掛けてくれた。
「はい! ありがとうございます!」
「クス……きっと皆さんも、奥さんのクッキーを気に入られるかと」
「そうですよね! 奥さんの作ったお菓子は、凄く美味しいですから」
今から三人の顔が綻ぶ姿を想像するだけで楽しくなる。
「今日は本当に、ありがとうございました!」
「いえ……こちらこそ、久々にマスターにお店に行けて楽しかったです。では……また後程」
「はいっ!」
私はヤナセに深々とお辞儀をすると、クッキーの袋を抱き締めて、食堂へ急いで向かった。

