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ラブカルチャースクール 3
第15章 Lesson クッキー
ヤナセまでは、一口で食べれないよね……。

つい虎視眈々とヤナセに、齧り付こうとしているジュリを想像してしまう。

「あら本当に美味しいわね、このクッキー!」

そんな懸念をしている私の横でジュリは、素直にクッキーに感動している。

「へぇ。コトミ、一つ貰うね」

「うん! 一つと言わず、沢山あるからいっぱい食べて」

遠慮がちにクッキーに手を伸ばしてきたサナは、嬉しそうに微笑んだ。

「うん、凄く美味しい」

「でしょ、でしょ!」

「何か、ホットする味だね」

サナはクッキーをしみじみ眺めながら、穏やかな表情になってきた。

おぉぉっ!
ここにもクッキー効果が発揮されている!

奥さんの優しさが詰まっているのは、食べたら伝わるのだと自分も感動してしまう。

「はい、お待たせ。皆紅茶にしたけど良いかしら?」

そこにお茶を淹れてきてくれたカレンが戻ってきた。

普段はコーヒー派の三人の分を私に合わせて紅茶にしてくれたみたいだ。

「ありがとう、カレン」

「サンキュー」

「紅茶でも構わないわよ~」

カップを差し出してくれるカレンに、其々がお礼を言う。

ジュリの時だけカレンの眉が少し上がったけど、何とか堪えているみたいだった。

紅茶か――――

鉄剤飲むから本当はお茶系を避けないといけないけど、折角カレンが淹れてくれたお茶は堪能したい。

鉄剤を飲む時間をずらすことにして、今は四人でのクッキータイムを満喫することにした。

「私もクッキー頂くわね」

「うん、紅茶ありがとう!」

私とカレンは、自然に笑い合う。

ジュリとは違って、上品にクッキーを食べたカレンのクールな顔が和らいだ。

「このクッキー。既製品じゃ味わえない風味ね」

「カレンもそう思う? 嬉しいな~」

まだお店に行ったことない三人にも、店長と奥さんがニッコリと微笑んでいる姿が目に浮かんできた。

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