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ラブカルチャースクール 3
第15章 Lesson クッキー
指先にボタンを押す手ごたえを感じる。

昼間の時間より、在室している可能性が低いのは解ってはいても、淡い期待に胸がドキドキしてしまう。

何度も身体を重ねているのに、会うことが確約出来ないのは何とももどかしい。

「居ないかな……」

ダメもとで、もう一度ボタンを押そうとした時だった――――

キュイィィィン――――カチャ!

セキュリティが解除された。

居た――――!!

まだ顔も見ていないのに、テンションが急上昇する。

見慣れた甘いマスクがドアの隙間から覗いてきて、私の存在を確認すると一気にドアを開いた。

「琴海!」

「セイ……っ!」

名前を呼ばれると同時に、腕を掴まれて部屋に引っ張り込まれる。

カッチャン!

勢いよくドアが閉まると、セイジは驚いたのか大きな息を吐いて項垂れた。

「どうしたの琴海。こんな時間にビックリしたよ」

「あ、ごめんなさい。どうしても渡したいものがあって」

セイジの態度に、やっぱり予定外の時間の訪問は迷惑だったかと凹みそうになる。

「渡したいもの? 何かあったんじゃなくて?」

「うん……今日前バイトしていたお店に行ったの。クッキーを貰ったからセイジにも渡したくて……」

「それだけ?」

「う……うん」

あぁぁぁ――いつでもおいでと言われたけど、セイジの言葉に甘え過ぎたかも~!

「それだけです。ごめんね」

踵を返して、帰ろうとした瞬間――――

「はぁぁぁ~。何か嫌なことでもあったのかと思って心配したぁ~」

セイジは私をギュッと抱き締めて、肩に顔を埋めてきた。

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