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ラブカルチャースクール 3
第16章 ILesson 4回目
ドックン――――!!

あぁ……この表情――――最初のレッスンの時にも、見た気がする。

そして何故か私の胸を不安でざわつかせる。

まるで嵐の前に騒然とする森の中にでも、追いやられていくみたいだ――――。

金縛りにでもあったみたいに固まっている私にリクは、また無邪気な笑顔を浮かべる。

「コトミさん、レッスン始めましょうか?」

「あっ! そ、そうだね」

リクの言葉に、弾けたように現実に戻った。

何気に時計を見ると、時間は然程経ってはいない。

クニミツの時とは偉い違いだ。

「ローブに着替えて来ますね」

「うん」

一言残してリクは、颯爽と更衣室に入っていく。

パッタン――――

閉まったドアをボンヤリと数秒眺めてから、自分も更衣室に向かう。

「私も着替えないと……」

何だか魔法でも掛けられているみたいだったな……。

通常のレッスンの流れを意識しなくても、自然と会話が始まっていた。

リクの性格なのか、職業柄なのか――――

緊張している生徒にも気負わせずに会話を広げていけること――

それは講師として凄く大事なことで、求められることだと思う。

リクにはその天賦の才があるのかもしれないけど、ヤナセたちベテランみたいなスッキリ感はまだない。

「何かモヤモヤするのよね」

まだ収まらない微かな胸騒ぎを感じながら、スーツのジャケットを脱ぎ始めた。


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