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ラブカルチャースクール 3
第16章 ILesson 4回目
私の質問にリクは特に驚いた様子もなく、寧ろ楽しそうに微笑んでいる。

「どうして?」

「どうしてって、特殊な仕事だし……若いのになんでだろうって、気になるよ」

「若いと珍しい? 俺と同い年くらいの人、結構居るみたいだけど」

「確かにそうだけど……」

言いたくないのか、揶揄っているのか――――

リクはすんなりと、理由を話してくれなさそうだった。

「言いたくないなら……別にいいけど」

ここで断念してしまうのは、講師としてちょっと敗北感を感じるが、言いたくないのなら仕方がない。

いつか自分からペラペラ話させてやる~!!

心の中で、変な目標を立てていると――――

「コトミさんは、何で講師になったの? 女性講師になるのって凄く大変なんだよね」

「え……私」

「うん。俺のことなんかより、コトミさんの理由の方が興味深いよ」

頬を撫でていた指を顔の輪郭に沿ってなぞりながら、リクが質問返しをしてきた。

少し伏せた瞳が色っぽい。

柔らかい耳触りの良い声が、鼓膜をくすぐってくる。

若いのに、この色気はどこで培ってきたのだろう……?

知りたいけど――謎が多そうなリクの過去のベールを捲るには、時間と根気が必要そうだ。

「私? 私は結婚していたんだけど、その時に夫とのことで悩んでいたの」

私の話をリクは色っぽい目つきのまま、視線を外さず黙って聞いている。

「ここ……ラブカルに通うようになって凄く勇気貰えて、同じように悩んでいる女性の役に自分も立ちたいって……漫然と生きてきた人生に初めて目標を持てたんだ」

ジッと無言のリクを気にはなりながらも、何度も繰り返した話を語っていった。

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