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第16章 ＩLesson ４回目

そうだ、所詮私は『チビ』なんだ！

背伸びしたって、身長が伸びる訳ない！

ヘンテコな気合を入れて、リクと正面から向き合う努力をしていく。

多分私は――ラブカルに通うまで、誰ともしっかりと向き合っていなかったと思う。

『よくよく相手を見る』――――。

ヤナセが教えてくれた、相手の気持ちに悟っていく術。

今は目の前の講師を『よくよく』向き合っていかなきゃ、その先には進めない。

――――『本気で掛かって来い！』

マスターのレッスンでワタリに怒鳴られた時は怖かった言葉が、胸に響いて熱くなる。

衝動に駆られて、思わずファイティングポーズを取りそうになった。

そんな私の滾る胸の内とは裏腹に、リクは至って冷静な面持ちでジッと見下ろしてくる。

何を考えているか分からない雰囲気は、少しヤナセを彷彿させた。

リクがゆっくりと口を開く――――

「コトミさんは……」

「うんっ！！」

さぁ～掛かってこい！！

次のリクの行動に括目すると

「コトミさんは、チビっていうほど小さくないですよ。確かに小動物みたいですけど、可愛らしいサイズだと思いますよ」

褒めちぎられた上に、綺麗な顔でニッコリ微笑まれる。

「……えへ、ありがとう」

言い回しはヤナセと似ている感じだけど、しっくりと胸に収まらない。

何が違うのかは上手く言えないけど……

人を超越しているあの方とは、やっぱり違うと実感した。