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ラブカルチャースクール 3
第4章 Lesson 休憩室
「ふふ、それはちゃんと使い分けるから大丈夫よ~。言わなくたってカレンだって分かっているじゃないの」

「そういう問題じゃないんじゃないの」

ジュリは何てことなさそうに切り返したが、カレン的には納得いかない様子だ。

早くも女の闘いが勃発か!?

つい主婦時代に観ていた昼ドラを彷彿させてしまいそうになる。

一触即発なムードに、缶を握る手に力が入った時だった――――

「ちょっと聞いてくださいよ~コウセイさん!」

「あぁぁっ!? さっきまで生徒の話を聞いてたのに、ナツお前の話を聞くキャパは俺にはない!」

「そんなつれないっす~!」

どこかで聞いたような声が、休憩室に近付いてきた。

「俺たちも受付の業務が増えて忙しいからな……いつものようにハヤトに聞いて貰ったらどうだ?」

遠くからでも鼓膜を震わせる、色っぽいバリトンボイスも聞こえてくる。

「だって最近ハヤトさんもマスターのレッスンで忙しくて、余り構ってくれないんす」

「てか、お前も早くもっと忙しくなれよ」

「コウセイさん! それは言わない約束ですよ~!」

「そんな約束した覚えもない!!」

「ぷっ!」

声の主たちのコントみたいな会話に笑いが込み上がり、つい吹き出してしまった。

遠慮なく大声で話す三人の講師たちに、ヤナセも少し苦笑いをしている。

「あぁもう~。なら俺たちのコーヒー淹れたら聞いてやる」

「マジッすか! それなら任せて下さい! ラテアートもしますよ!」

「ブラックでいいよ……」

結局話を聞いてあげる親身な講師と、いつの間にラテアートまで習得している若手講師をスマートに流すダンディな講師たちが休憩室に入って来た。

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