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ラブカルチャースクール 3
第17章 Lesson KY
「い、いえっ! 大丈夫かと思われます!」

誤解はされていないだろうけど、一応念のために声が出してアピールをしてみる。

そんな私の心情を知っていそうなヤナセは、ワザとなのか顔を離そうとしない。

「ですが……レッスン室から出て来られた時は、顔面蒼白でしたので、無理は禁物です」

それはリクとのレッスンが終わったばかりだからであって、今は状況が違うじゃないですか――――!!

何とかヤナセのアップから逃れようと、咄嗟に思い付いたことを言ってみた。

「はははい! 分かりました! あ、ヤナセさんトレー邪魔じゃないですか?」

ヤナセは淹れてくれたお茶をトレーに載せて持ったまま、私に顔を近付けてきたのだ。

器用過ぎるにも、ほどがあるでしょ!!

大抵の人ならカップを滑らせるか、お茶が零れてしまいそうなのに、ヤナセはそんな気配を見せることは無く見事な絵になるポージングでトレーを三本指で支えている。

ヤナセファンからしたら、何とも堪らない執事プレイかもしれないけど、歪みが少しもない美しい顔のアップは、隕石が落ちて来そうなくらいの破壊力だ。

透き通るような幻想的なヘーゼルの瞳に自分の顔が映っているのは、マジマジと鏡を見るより恥ずかしく思えた。

レッスン後で化粧も崩れているんです。
もぅ……勘弁してくださぁい。

余りの恥かしさと、眩しさにぎゅぅっと目を瞑ると――――

「琴海さん……ハニーミルクティーです。良かったらお飲み下さい」

少し含み笑いを込めながら、ヤナセはティーカップをテーブルに置いた。

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