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ラブカルチャースクール 3
第18章 I Lesson 5回目
その笑顔が余りにも優しくて――――

自分の邪な心が、情けなくなる。

「セイジ、ごめんね……」

「ん? 何で?」

「だって……せっかく皆に、ケーキを用意してくれようとしたのに……」

セイジのことだから、女性講師たちが仲良く出来るようにとか気を使ってくれたのかもしれないのに、自分の感情を優先にしてしまった。

自分で言った我儘に改めて申し訳なくて項垂れ気味になると、セイジの顔が真横に傾いて近寄ってきて――――

チュッ!

キスしてきた。

軽くだったけど、唇にセイジの柔らかさと温かさが伝わってきて、凹み掛けた胸の奥が焼きたてのケーキのスポンジみたいにぷぅ~と膨らむ。

目を見開いて陶酔している私にセイジは、蕩けそうな極上の笑顔を浮かべてきた。

「今琴海も、焼きもち妬いてくれたんでしょ? 俺は嬉しいよ」

嫉妬なんて醜い感情なのに、それを嬉しいと言ってくれたセイジの優しさに膨らんだスポンジが、今度は真空パックされたみたいにキュッと縮こまる。

「セイジ…………ありがとう」

無駄に間が空いた言葉の間に、思わず『好き』って言いそうになるのを空気と一緒に飲み込んだ。

複雑な気持ちではにかむと、セイジは再び優しくキスをしてきた。

チョンと軽く触れて、微かに唇を擦り合わせる。

その絶妙な動きに、脳天が浮くような感じになって、背中にゾクゾクと快感が広がっていく。

「あ……セイジ……」

自由に動く唇の隙間から、吐息と共にセイジの名前を甘く漏らした。

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