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ラブカルチャースクール 3
第18章 I Lesson 5回目
「えっ!?」

私がボンヤリと考えごとをしている間に、今日の相手が現れていて――――

「琴ちゃん久しぶりの『ぎゅぅぅぅぅ』!」

背後から思いっきり、抱き締めてきた。

『ぎゅうぅ』って言って抱き締めてきる人物と言ったら、あの講師しかいない。

「コ、コウセイさん!!」

「ぎゅ、ぎゅうぅぅ~! 正かぁ~い! では、ご褒美のぎゅうぅぅ!」

「ぐぇっ!」

なんと補習のお相手は、抱き付き魔――――『コウセイ』だ。

スタンダードコースから馴染みがあって気さくなコウセイだが、今日はまた一段と抱き締めてくる力が強い。

不意打ちだったせいもあるか、変な体勢になっていて、胸が締め付けられて息苦しくなる。

「うぅ……く、苦しいぃ」

「えっ!? マジ? ごめんごめん! 久々の琴ちゃんのレッスンで嬉しくて、張り切り過ぎちゃった~」

息絶え絶えで訴えたら、コウセイは直ぐにロックを解除してくれた。

これがナツだったら、私の悲鳴に気付かずにロック掛け続けられていたかもしれないな――――
と、ちょっと思ってしまう。

「はぁ、はぁ。ビックリした~!」

「そんなに驚いた? それは気付かれないように、忍び足で入ってきた甲斐があったな~」

「忍び足……」

コウセイは冗談ぽく言いながらも、胸に手を当てて息を整える私の背中を優しく撫でてくれた。

そう言えば初めてのマスターコースでのレッスン担当がコウセイだったけど、私の誕生日だからってクラッカーまで用意してくれてたっけ……。

色々サプライズをするのが好きなのは、サービス精神旺盛なコウセイらしい。

それって、相手を喜ばせたいからなんだろうな――――。

背中を摩ってくれる温かい手のように、コウセイの優しさを感じた。

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