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ラブカルチャースクール 3
第19章 Lesson 女子会

「マリアージュフレールの……マルコポーロです」
紅茶の銘柄を言うだけで、異国にでもいるような錯覚を起こさせながら、指先を綺麗に揃えてヤナセがティーカップを差し出してくれた。
「ありがとうございます」
カップから漂う香りはほんのりと甘く、沈んでいる気持ちを優しく包んでくれるみたいだ。
甘い香りに誘われるように、カップに口づけて一口含む。
紅色の液体が舌の上を滑らかに滑っていくと、途端鼻腔にバニラの豊潤な香りが突き上げた。
「っ!!」
言葉にならないくらい美味しぃぃぃ――――!!
余りの美味しさに、疲れも吹っ飛びそうだ。
落ち込んでいた気分も一瞬忘れて、夢中でマルコポーロを飲み干していく。
「クスクス……お気に召しましたか? もう一杯どうぞ……」
何も言わずとも明らかに私が、この紅茶を気に入ったことを察したヤナセは、絶妙な間合いで二杯目を勧めてくれた。
「すみません! 余りの美味しさに、無我夢中で飲んでしまいました!」
「クス……いえ、美味しそうに飲んで頂き、私も嬉しいです」
ヤバイ――――絶対、鼻の孔が開いている。
照れながら鼻の頭を掻いている私に、ヤナセは柔らかい微笑みを浮かべ、ポットの蓋に指を添えて二杯目も艶やかに注いでくれる。
ほぉぉぉ~。
何か物凄く、贅沢な気分だ~。
生徒の時でも、毎回ヤナセがお茶を淹れてくれるのが至福の一時だったけど、講師になってまで飲ませて貰えるなんて贅沢極まりない。
ヤナセの足元どころか半径一キロにも及ばないけど、私も一杯のお茶で生徒の心を癒せるような講師に――――なれるかな?
紅茶の銘柄を言うだけで、異国にでもいるような錯覚を起こさせながら、指先を綺麗に揃えてヤナセがティーカップを差し出してくれた。
「ありがとうございます」
カップから漂う香りはほんのりと甘く、沈んでいる気持ちを優しく包んでくれるみたいだ。
甘い香りに誘われるように、カップに口づけて一口含む。
紅色の液体が舌の上を滑らかに滑っていくと、途端鼻腔にバニラの豊潤な香りが突き上げた。
「っ!!」
言葉にならないくらい美味しぃぃぃ――――!!
余りの美味しさに、疲れも吹っ飛びそうだ。
落ち込んでいた気分も一瞬忘れて、夢中でマルコポーロを飲み干していく。
「クスクス……お気に召しましたか? もう一杯どうぞ……」
何も言わずとも明らかに私が、この紅茶を気に入ったことを察したヤナセは、絶妙な間合いで二杯目を勧めてくれた。
「すみません! 余りの美味しさに、無我夢中で飲んでしまいました!」
「クス……いえ、美味しそうに飲んで頂き、私も嬉しいです」
ヤバイ――――絶対、鼻の孔が開いている。
照れながら鼻の頭を掻いている私に、ヤナセは柔らかい微笑みを浮かべ、ポットの蓋に指を添えて二杯目も艶やかに注いでくれる。
ほぉぉぉ~。
何か物凄く、贅沢な気分だ~。
生徒の時でも、毎回ヤナセがお茶を淹れてくれるのが至福の一時だったけど、講師になってまで飲ませて貰えるなんて贅沢極まりない。
ヤナセの足元どころか半径一キロにも及ばないけど、私も一杯のお茶で生徒の心を癒せるような講師に――――なれるかな?

