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ラブカルチャースクール 3
第19章 Lesson 女子会
発した言葉通り、きっと私は凄く今、間抜けな顔になっているだろう。

だってヤナセの憂い気な表情が消えて、ハンドモデル張りの麗しい御手が口元に寄せられた。

笑われた――――!!

大抵のことは受け止められると思っていた矢先、まるで素人丸出しの反応をしてしまった自分に恥ずかしくなる。

「クス……まぁ驚かれますよね。当日は自然レッスンになるように、細心の注意を払って立ち会わせて頂きますので……」

「はぁ……ぃ。宜しくお願い……致します」

ヤナセの眩い微笑みに平伏すかのように頭を深々と下げると、おでこが机にくっつきそうになった。

机が近過ぎて、視界がぼやける。

まるで底が見えない、深海に潜っていく気分だ。

――――キット、ナニカオキル。

水面に上がっていく水泡みたいに不安が湧いてきて、気持ちを更に沈ませていく。

「琴海さん……」

そんな私の状態を察しない訳ないヤナセが、優しい声で呼び掛けてきた。

名前の後に何か言葉が続くかと思ったが、ヤナセはそのまま黙っている。

無言の言葉に慌てて頭を振り上げたら、勢い余って椅子の足が浮いてしまい、ガッタンと大きな音をたてた。

「わっ! すみません!!」

「いえ……琴海さんのリアクションは、いつも可愛らしいですね」

私の間抜けな行動に、すっかり慣れているヤナセは、背景に白薔薇でも咲かせそうな高貴な笑顔を向けている。

流石、ヤナセ様――――これしきのこと、ビフォアーモーニングでございますね。

ヤナセの輝くような貴公子スマイルに当てられて、さっきまでの不安はどこへやら、胸の中で意味不明なボケをかましていた。

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