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ラブカルチャースクール 3
第19章 Lesson 女子会
「ヨウコさん!」

キリッとした口調ながらも、丸みのある声は男性講師とは違う。

ヤナセともタメ口で話す、女性講師の大先輩――――ヨウコさんのご登場だ。

突然の大御所の登場に驚きながらも、安堵したのかカレンとサナの表情が和らいでいく。

それに反して表情が不穏になること、約一名。

さっきまでのでっかい態度はどこへやら、ジュリはヨウコさんへ敵対心を浮き彫りにしてくる。

ちょっ、露骨過ぎる――――!!

元々妙な眼力のある大きなジュリの目に、小さなヒットマンが宿ったみたいにヨウコさんをロックオンするが、銃口を向けられている当人は全くもって気にしていない様子だ。

それどころか――――

「三人とも汗を掻いているから、早くシャワー浴びて身体を冷やさないようにね」

心使いもバッチリである。

これにはジュリも、ちっこいヒットマンを退散させざるを得ないだろう。

何も言い返せないまま肉厚な唇をひょっとこみたいに曲げると、形ばかりのお辞儀をして、ジュリは素早く退散していった。

珍しく大人しく引いたジュリの背中をカレンは目を細め、サナは逆に見開いて見やる。

「お疲れ様でした!」

微妙な間が数秒経った後に、二人揃ってヨウコさんに深々と一礼をした。

「お疲れさま~! 気を付けて帰ってね」

「はい! コトミお先!」

「うん、ありがとう。お疲れ様、またね!」

屈託のない笑顔で労ってくれるヨウコさんに、二人は自然と笑顔になっている。

さっきまでの険悪な空気は、そこにはもうない。

二人から感じるのは、ヨウコさんへの尊敬の念だ。

無論、自分も――――。

ヨウコさんにレッスンを受け持って貰ったことはないけど、まだ数少ないレッスン内容を体験しただけでも女性講師の大変さや、責任の重圧は半端ないのが分かる。

それを女性講師が少ない時から、担ってきたのだ――――。

ヤナセとタメ口で話せるのも、納得である!

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