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第19章 Lesson 女子会

「手伝うって、何をするんですか？」

以外にも、最初に聞いて来たのはサナだった。

大抵こういうことは、ジュリが口火を切ってくるものだったけど、その本命はスッピンでもセクシーな唇に閉じている。

ジュリと言い合う時以外は普段クールなカレンも硬い表情を浮かべたままだ。

爆撃の行く末を案じている新人たちとは裏腹に、ヨウコさんは世間話でもするみたいに飄々と話を続けた。

「難しいことや危ないことをさせる気はないから。ルール改正に便乗して、自分たちに何かけしかけてくる輩がいたら、ちょっと探りを入れてみて欲しいんだ。掴みたいのは、その話を広めている首謀者……」

「首謀者……」

つまり『改革派』――――ヤナセの反対組織だ。

恋愛禁止の拘束から講師を解放させて、よりラブカルの発展を願っているヤナセの邪魔をしようとしている『反対勢力』！！

自分のことを犠牲にしながらも周りの幸せのために頑張っているヤナセの行く手を阻もうとする輩ども――――絶対に許せない！　
このチワワが、噛みついてやる！！

まだ顔も解らぬ相手に怒りが込み上がってきて、噛みつくところを想像した。

「ガルルル……」

「コトミ、真面目な話をしている時に、そんなに必死で裂きイカを食べなくてもいいんじゃないの？」

「ガルル？」

ジュリのツッコミに今しがたヨウコさんの話を神妙な面持ちで聞いていた筈の三人が、呆れたような眼差しを私に向けていることに気付く。

どうやら怒りの余り感情が入り過ぎて、裂きイカを食いちぎったようだ。

「あ、あははっ！　違うよ！　首謀者を何としても見付けたいから、気合いれてたんだよ。そこまで裂きイカにまっしぐらじゃないから！」

裂きイカを持った両手をブンブンと上下に振りながら必死に言い訳をするが、説得力がないのか、向けられている視線が冷たく刺さる。

無意識とはいえ、まさかこんな形で誤解を招くとは――――

大事な話をしていただけに、自分の軽率さと裂きイカが恨めしい。