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ラブカルチャースクール 3
第20章 I Lesson 6回目
カチャ――――。

「失礼します」

レッスン室のドアを静かに開けて、中を覗き込むように頭から入る。

「まだ来てないか……」

服を脱ぐことを考慮して部屋の温度は調整されているけど、誰も居ない空間は少し寒く思えた。

「どうせ着替えるんだから、先に用意しておこうかな?」

いつものことだけど今日は特殊なレッスン内容だけに、緊張感が否応なしに増幅する。

レッスンの相手と立ち合い講師が来るまで、スーツでいるのが妥当かも――――。

組み合わせによって、自分の気持ちも大きく揺れてしまうだろう。

立ち合い者はマスターコースで担当になったことのある講師――――。

途端、マスターコースのレッスンの日々が、走馬燈のように頭の中を駆け巡り出す。

セイジはまだ、出張だよね――てか!! 
セイジに他の人とのレッスンを見られたくない!

この特殊レッスンの間、セイジが立ち合いじゃないことだけを切に願いたい。

一人しかいない部屋で、思いっきり顔を顰めた。

生徒の時は、毎回担当講師が気になっていたけど、久々にその感覚が身体中に充満してくる。

「前回のレッスンはコウセイだったし、まだマスター講師じゃないナツでもないよね……」

和む二人が筆頭で予想から消えた。

出来れば、ダンディ『マサキ』だと有難い。

マサキなら安心感が抜群だし、新人たちにも穏やかに対応してくれるだろう。

だけど――――。

「ハヤトだったら、どうしよう~?」

最近のハヤトは、前みたいな無茶ぶりはしていないみたいだけど、私の顔を見るなり突っかかってくるのは変わらない。

「ハヤトなら、ナツとセットにしてくれないかな。……あ、騒がしくなってレッスンにならないか~」

そんなことを考えていたら懐かしくなってきて、口元に笑みが零れた――――その時。

――――ガチャ!

ドアが開けられる、音がして慌てて振り返ると――――。

「こんにちは……コトミさん。今日も宜しくね」

「あ……うん。よろ……しく」

入って来た相手は――――『リク』だった。

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