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ラブカルチャースクール 3
第20章 I Lesson 6回目
モクモク――と、早くも立ち込めてくる暗雲に唇を窄めて考え込んでいると、

「おい、チビ。早く準備しろ。時間がなくなるぞ!」

頭上から光る眼光と共に、一直線に放たれた矢が突き刺さってきた。

「は、はいっ! 急いで着替えてきます!」

ワタリの迫力ある声に窄めていた口を全開にして、反射的に軽くぴょんと飛び上がる。

やっぱり今日も、漏れなくスパルタ――――!!

心の中で叫びながら足がグルグルと渦を巻く勢いで、更衣室へと勢いよく駆け込んだ。

バッタ――ン!!

慌ててドアを閉めたせいで、やたらと大きな音が響く。

だけどそれをいちいち気にしている余裕はなかった。

閉まったドアに背中を凭れさせ、深々と喉の奥から溜息を吐く。

束の間とはいえ、極度の緊張から放たれたのもあってか、全身から力が抜けていく感覚に小さく肩が震えた。

ドア越しでは、ワタリとリクが何か話しているだろうか――――?

いや――多分リクも、そそくさと着替えに行っているだろう。

自分と組む新人講師の中で一番年がしただけど、一番しっかりしている――――というか、世渡り上手そうなリク。

アラタやクニミツよりも細かいところで気が利くけど、作られたような笑顔が胡散臭い。

何より本当にラブカル講師を目指す、意思と情熱が伝わってこないのだ。

「まだ二回しかレッスンしていないしな……だからかな……」

ふと、リクとのレッスンの記憶が蘇る――――。

途端全身が、嵐の前の草原のようにざわつき出した。

肌に走る恐怖感に肩を窄ませ、ギュッと目を瞑る。

「大丈夫、大丈夫……今日はワタリが付いているもの……」

リクが妖しい行動をしようとしても、きっとワタリが見抜いてくれる筈。

だけど――――

「濡れる、自信がない……」

再び大きな溜息を吐きながら、己の股間をぼんやりと見詰めた。

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