この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ラブカルチャースクール 3
第20章 I Lesson 6回目

ワタリを待たせてはいけない――――!!
――――のつもりで、急いで着替えたけど、ブラウスのボタンがすんなりと外せなくて、いつもより時間が掛かってしまった気がする。
「お待たせしました!」
ドアを開け放ち、ゴールに駆け込むみたいに両手を広げてレッスン室に入ると、腕を組んで睨み付けるワタリと目が合う。
『遅い! チビ!』――――早速飛ばされる怒号に、反射的に頭を下げかけたが、
「あぁ、準備は出来たか?」
強面な人相とは裏腹に、低いけど少し穏やかな口調でワタリが問い掛けてきた。
「は、はい。出来てます!」
着替え終わっているのに敢えてワタリが、そう聞いてきた意図など考える余裕もなく、背筋をピシッと伸ばして答える。
明らかに緊張感を放出している私に、ワタリは細い目を更に細めてきた。
「心の準備は出来ているか? 油断はするなよ……」
「はい……」
流石スパルタンワタリは、ぶれずに厳しい。
解ってはいたが、今日は一切の甘えを排除しろ――――ってことかもしれない。
圧し掛かってくるプレッシャーに顔が俯きかけた時――――。
「だが、無理はするな」
「は……い?」
変わらず口調は厳しいが、囁くように言われた言葉は温かい――――。
驚いてキョトンとしている私の顔を高みから一瞥した大鷲は、腕を組んだまま正面を見据え直す。
「報告は聞いていると言っただろ。何かあれば、直ぐに対処する」
指導する立場なら前回のレッスンの報告を確認するのは、当たり前だろう。
だけどワタリなら、より細かく聞いている筈だ――――ヤナセから。
ヤナセとワタリのやり取りをしている姿が目に浮かんだ途端、不安の泉の底から勇気が沸々と湧き上がってきた。
――――のつもりで、急いで着替えたけど、ブラウスのボタンがすんなりと外せなくて、いつもより時間が掛かってしまった気がする。
「お待たせしました!」
ドアを開け放ち、ゴールに駆け込むみたいに両手を広げてレッスン室に入ると、腕を組んで睨み付けるワタリと目が合う。
『遅い! チビ!』――――早速飛ばされる怒号に、反射的に頭を下げかけたが、
「あぁ、準備は出来たか?」
強面な人相とは裏腹に、低いけど少し穏やかな口調でワタリが問い掛けてきた。
「は、はい。出来てます!」
着替え終わっているのに敢えてワタリが、そう聞いてきた意図など考える余裕もなく、背筋をピシッと伸ばして答える。
明らかに緊張感を放出している私に、ワタリは細い目を更に細めてきた。
「心の準備は出来ているか? 油断はするなよ……」
「はい……」
流石スパルタンワタリは、ぶれずに厳しい。
解ってはいたが、今日は一切の甘えを排除しろ――――ってことかもしれない。
圧し掛かってくるプレッシャーに顔が俯きかけた時――――。
「だが、無理はするな」
「は……い?」
変わらず口調は厳しいが、囁くように言われた言葉は温かい――――。
驚いてキョトンとしている私の顔を高みから一瞥した大鷲は、腕を組んだまま正面を見据え直す。
「報告は聞いていると言っただろ。何かあれば、直ぐに対処する」
指導する立場なら前回のレッスンの報告を確認するのは、当たり前だろう。
だけどワタリなら、より細かく聞いている筈だ――――ヤナセから。
ヤナセとワタリのやり取りをしている姿が目に浮かんだ途端、不安の泉の底から勇気が沸々と湧き上がってきた。

