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ラブカルチャースクール 3
第20章 I Lesson 6回目
顔立ちが綺麗なだけに、はにかんだ顔は可愛いのかもしれないが、この笑顔の裏にどんな闇が潜んでいるのかと疑ってしまう。

「……承知しました」

「ぷっ! いきなり畏まらないでくださいよ。お互いリラックスしましょう」

「うん……」

流石、元バーテンダー。

目の前に、カクテルグラスでも差し出されているかのような台詞だ。

そのグラスに、何か仕込まれているかもしれないけど――――。

「コトミさん?」

色々考えてしまって、ぼんやりと上の空になっていると、問い掛けるように名前をリクに呼ばれて我に返った。

こんなことしていたら、ワタリに雷を喰らってしまう――――しっかりしなくちゃ!

「あ、ごめんね」

「いいえ。ローブ脱がしても良いですか?」

「うん。お願いします」

「脱いだらベッドの行きましょうね」

囁き掛けてくるリクの声は、優しい――――。

だけどセイジみたいな甘さや、ヤナセのような容赦なしのドキドキ感は感じない。

それは自分が、生徒の時とは違うからだろうか?

リクの手が、ゆっくりとローブの腰紐をほどいていく。

シュルシュルと生地が擦れる音を遠くのことのように聞きながら、ワタリの方を横目で見やる。

味気ない折りたたみ椅子には座らず、ワタリは腕を組んだまま机に腰を凭れかけて立っていた。

その姿は、スポーツの試合を見守る鬼コーチでも彷彿させるような佇まいだ。

そして鋭く光るイーグルアイは、一瞬も他所へ移動することなく私たちを凝視している。

怖い――――けど、心強い。

ワタリにギロッと睨まれる度に心臓が縮み上がっていたけど、今はこの鋭利な眼光に安心を感じている自分に苦笑いしてしまう。

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