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ラブカルチャースクール 3
第20章 I Lesson 6回目
腰紐を解いたリクの手は後ろに回っていて、腕はガッチリ腰をロックしている。

「ベッドに行きましょうか」

「あ……うん」

リクは舌を侵入させるどころかサッサと撤収させ、次の段階に移っていた。

気合い入れて構えていただけに、ちょっと拍子抜けしてしまう。

いやいや、油断大敵! 本番はこれからだ――――。

リクに持ち上げられて宙ぶらりんになりながら、神妙な表情を浮かべたままベッドに運ばれる。

ゆっくりとベッドに下ろされても険しい顔の私にリクは、片方の口端を軽く上げて囁きかけてきた。

「キス、もっとしたかったですか?」

「え……」

揶揄うような言葉に、驚いてリクを見上げる。

不敵な口元と笑っていない目元は整った顔には似合っているけど、相変わらず何を考えているか分からない。

だけど不自然な笑顔を作られるよりは、まだマシに思えた。

リクの邪気に、飲み込まれてなるものか――――。

今日は『鷲の目』が光っているから、悪霊が取り付いても直ぐに退散してくれる筈!

もうすっかり四天王たちが、守り神の領域になっている。

普段なら震えるワタリの眼光が、今は凄く有難い――――。

ご利益に勇気を貰って、自分もグッと目力を強める。

「私は大丈夫だよ。ただ生徒が相手の時は、もっと長くてもいいかもしれないけど」

「……そうですか。アドバイスありがとうございます」

「あ……偉そうにごめんね」

「いえ、コトミさんは実際のレッスンを体験していますから、凄く参考になります。遠慮なく言って下さいね」

「うん、ありがとう」

少し間が空いたリクの返事は気になったけど、アドバイスが出来たことに胸の奥に感動がじんわりと広がる。

レッスンのコツ、掴めそうな気がしてきた――――。

そう思ったら、リク相手に自然と笑顔になれた。


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