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ラブカルチャースクール 3
第20章 I Lesson 6回目
「もう挿れても、良いですか?」

一応丁寧にお伺いを立ててはいるが、手の甲が宛てがわれたリクの唇には、自信の二文字が薄っすらと浮かび上がっているのが見て取れる。

挿れて欲しい訳ではないけれども、このレッスンは早く終わらせたい。

羞恥プレイの数々も、これ以上思い出すと鼻から赤い噴水が放出されそうだし――――。

視界の端の大きな壁の存在に勇気づけられながら、ラストスパートの合図をリクに告げる。

「うん……大丈夫だよ」

「じゃぁ、挿れますね。力を抜いて下さい」

「うん……」

躊躇がない私の返事に応えるように、リクも淡々と挿入に向けて動き出す。

リクの腕が膝の裏に差し込まれ、両足がゆっくり持ち上げられていくと同時に、花園の扉も開かれていく。

つい先程まで塞がれて空間に流れ込んできた空気が、果汁で濡れた実をヒンヤリと撫で上げていった。

あぁ、いよいよか――――。

最終段階へ入った安堵感と、簡単に終わるか分からない不安感との期待と記憶が入り混じって、心音がいつになく大きく鳴り響く。

広げた足を支えながら、仰向けのままの私の上にリクが雨雲のように覆ってきて、天井の照明が遮られる。

今更体位を変えることもなさそうで、無難に正常位でことを進めていくようだ。

機械的に進行していくレッスンは、ときめきとは程遠い。

挿入して、どれぐらいで終わるかな――――。

男性講師は射精が出来ないのだから、私が絶頂を迎えるのが手っ取り早いのだろうけど、この状況に絶頂感がどんなものだったか、記憶と感覚が霞み出す。

覚悟を決めて臨んだレッスンな筈なのに――――心の片隅で、逃げ場を探している自分が情けない。

胸の奥から立ち込めてくる靄に息苦しくなって、グッと唇を噛む。

この弱気が、仇になるかもしれない。

自分の感情に負けにように、見下ろしてくるリクの顔を精一杯の眼力で見上げた瞬間、視界の片隅にゆらりと黒い影が動いた。

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