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ラブカルチャースクール 3
第21章 Lesson 予感

しまった――――!
些細なことさえ見逃さないヤナセが、あからさまに変な態度を見逃す筈がない。
生徒時代はそれで、ありとあらゆる『羞恥プレイ』を受講してしまった。
講師になってまで居残りレッスンとかになってしまったら、心臓に悪すぎる。
世の中の大半の女性が悩殺されそうな艶っぽい視線に向かって、口元を引き攣らせて精一杯の笑顔をで応えると――――。
「琴海さん……リクには、よくよくお気を付け下さい」
「そうですよね! ……え、リク?」
「はい……」
フライングで的外れな返事をしてしまったが、話の論点は『リク』だと分かり反射的に緊張感が身体に戻ってくる。
『よくよく気を付けて』――――ヤナセにそう言われると、リクが指名手配犯みたいに聞こえてしまう。
リクは最初のレッスンから、要注意人物だったのは確かだった。
改めて念押しされたのは、今回のレッスンがかなりまずかったのだろうか――――?
ありのままに報告したつもりだが、レッスンとしては良い出来ではなかったのは自分でも分かっているつもりだったけど、ワタリも『頑張った』と言ってくれたから、少し浮かれてしまっていたのかも。
「すみません……もっと頑張ります」
反省と落胆が入り混じり肩を落としている私に、ヤナセが優しく微笑み掛けてきた。
「いえ……琴海さんはとても頑張りましたよ。ワタリが凄く褒めていましたし」
「えっ。本当ですか?」
「はい……自信もって下さい」
「はい。ありがとうございます」
さっきの『喜んでいた』同様、ワタリが『凄く褒める』姿は、イメージが浮かびにくい。
きっとヤナセだけが読み取れる、ワタリの機微なんだろうな。
もしもワタリがニッコリと微笑んでいたとしたら、逆にビビってしまいそうだ。
ヤナセに褒めて貰えると、素直に喜べるんだけどな~。
ワタリには申し訳ないことを思いつつ、ゆっくり視線を前方に戻すと――――。
「キャラメルティー……お代わり、いかがですか?」
ライトブラウンのサラサラの前髪を軽く揺らし、艶やかに微笑む貴公子に目が眩みそうになった。
些細なことさえ見逃さないヤナセが、あからさまに変な態度を見逃す筈がない。
生徒時代はそれで、ありとあらゆる『羞恥プレイ』を受講してしまった。
講師になってまで居残りレッスンとかになってしまったら、心臓に悪すぎる。
世の中の大半の女性が悩殺されそうな艶っぽい視線に向かって、口元を引き攣らせて精一杯の笑顔をで応えると――――。
「琴海さん……リクには、よくよくお気を付け下さい」
「そうですよね! ……え、リク?」
「はい……」
フライングで的外れな返事をしてしまったが、話の論点は『リク』だと分かり反射的に緊張感が身体に戻ってくる。
『よくよく気を付けて』――――ヤナセにそう言われると、リクが指名手配犯みたいに聞こえてしまう。
リクは最初のレッスンから、要注意人物だったのは確かだった。
改めて念押しされたのは、今回のレッスンがかなりまずかったのだろうか――――?
ありのままに報告したつもりだが、レッスンとしては良い出来ではなかったのは自分でも分かっているつもりだったけど、ワタリも『頑張った』と言ってくれたから、少し浮かれてしまっていたのかも。
「すみません……もっと頑張ります」
反省と落胆が入り混じり肩を落としている私に、ヤナセが優しく微笑み掛けてきた。
「いえ……琴海さんはとても頑張りましたよ。ワタリが凄く褒めていましたし」
「えっ。本当ですか?」
「はい……自信もって下さい」
「はい。ありがとうございます」
さっきの『喜んでいた』同様、ワタリが『凄く褒める』姿は、イメージが浮かびにくい。
きっとヤナセだけが読み取れる、ワタリの機微なんだろうな。
もしもワタリがニッコリと微笑んでいたとしたら、逆にビビってしまいそうだ。
ヤナセに褒めて貰えると、素直に喜べるんだけどな~。
ワタリには申し訳ないことを思いつつ、ゆっくり視線を前方に戻すと――――。
「キャラメルティー……お代わり、いかがですか?」
ライトブラウンのサラサラの前髪を軽く揺らし、艶やかに微笑む貴公子に目が眩みそうになった。

