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ラブカルチャースクール 3
第21章 Lesson 予感
「っ!」

「失礼……します」

突然宇宙空間にでも放り出されたみたいに、眼前で二つのヘーゼル星がキラキラ光る。

本当に宇宙にイカされた感覚に陥りそうだ。

「ヤナセさん……」

「琴海……さん」

いつもの特徴的な間が、妙に色気を増して破壊力が半端ない。

これは確実に、新たな宇宙が誕生する予感――――。

脳内で勝手にビッグバンが起きそうになっていると、頬に触れていた親指が肌を撫でるように動き出す。

「あの……あっ」

恥ずかしさと快感にも似たくすぐったさが混ざり合って、つい声が出てしまった。

その起爆装置搭載の指先は、下瞼にラインを引くように輪郭をゆっくりなぞっていく――――からのあっかんべーめくり!

いきなり目が見開かれただけではなく、いきなりで拍子抜けした顔での両目あっかんべー状態に、脳みそは大気圏外まで確実に吹っ飛ばされた。

「ひゃっ!」

「あぁ……大丈夫そうですね。少し休めば落ち着かれるかと」

「…………はい。ありがとうございますぅぅぅ……」

さも些細な所作の如く何事もなかったかのように、ヤナセはにっこりと微笑んで思わせぶり診察を終わらせた。

迂闊にセイジのことを考えてしまって、猛反省する。

血じゃなくて、魂が欠乏しそうなんですけど~。

毎度のことながら、この羞恥プレイ寸前の『ヤナセ診察』には、心臓がいくつあっても持たない。

ただの貧血の確認なだけなのに、なんでここまでフェロモン放出するのだろう。

これ絶対、他の女性三人にはやってないよね?

ラブカル女性講師候補でも、カレンとサナがこのプレイを受けているのは想像しにくい。

ジュリにこんなことしようものなら、逆にヤナセを押し倒しかねない――――。

ジュリには悪いけど、肉食獣のイメージが確定されてしまった。

そして私は、ヤナセ様の一時のお戯れ相手のペットのチワワ。

余りの違和感のなさに思わず「きゃん!」て吠えそうな自分に、自嘲気味になっていると、目の前に座り直したヤナセが美しい笑みを浮かべながら話しかけてきた。

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