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第21章 Lesson 予感

「そういえば……琴海さん。女子会を開かれたそうですね」

「ひゃいっ！　すみません！」

別にやましいことを考えていたわけではないのに、ヤナセが絶妙なタイミングで女子会のことに触れてきたものだから、心の中を見透かされたと思ってしまう。

「クス……ヨウコから聞いているから、気にしなくて大丈夫ですよ。アルコールが飲めないからジュースで盛り上がったって言ってましたけど」

大袈裟な私の反応に楽しそうに笑い返してくれたヤナセだけど、ヨウコさんのことに触れると、いつもと若干違うのは気のせいかな？

もしかして――――『掟改正』した時は、ヤナセはヨウコさんを――――？

ふと頭に浮かんでしまったことだけど、ラブカルの大御所講師二人に対してそんな想像するのも恐れ多くて、すぐさま思考回路から脱線させた。

「はい。ヨウコさんが開催してくれて。スクール以外の場所で、集まるのてなかったから新鮮でした」

「そうですか……規則範囲ないなら、一緒に行動しても大丈夫ですよ。講師のレッスンにも慣れてきたころでしょうし、プライベートも自由な時間ができるかと」

「えっ！　それは難しいです！　まだレポート書くのでいっぱいいっぱいです！」

「クスクス……そうですか」

そう言って微笑んだヤナセは、本当に楽しそうだった。

女性講師の担当や、掟改正のことと、敵対グループの存在――――他にもヤナセが抱えていることは沢山あるだろうに、こうやって私たちの仲まで気遣ってくれていることに敬服と感謝しかない。

だけど――――。

「あの……例の件、ヨウコさんの配慮で、他の三人も協力してくれることになったんですが……」

今更私が言わなくても、『隠密行動』の件もヨウコさんのからヤナセに伝わっている筈。

だけど―――ヤナセからの勅命を受けた身としては、ヤナセの口からも今回のことを聞きたいのも正直な気持ちだった。