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第22章 I Lesson ７回目

あとは出来るだけ穏便に終わることを願うばかりだ。

徐々に込み上がってくる緊張感に、小さく深呼吸しながらベッドに上がろうとして手を着くと――――

「はい！　ここで早速、乙女心講座よ～！」

「はい！　えっ！？」
「えぇっ？」

ホズミがいきなり、補習を開始した。

固まっている私たちの傍へ、腰を振りながら軽快に近付いてきたホズミ――――。

なにっ？　一体、どうする気なの姉さぁん！

口元に意味深な笑みを浮かべて向かってくるホズミを凝視していると、私の視覚に収まりきらないの距離まで近寄ってきていた。

「姉さん！？」

「チワワちゃん、ちょっとジッとしていてね～」

「へ……」

ホズミは楽しそうにそう言った途端、長身の身体を低く下げ、長い腕で私の背中と足を掬い上げて、素早く横抱き――――『お姫様抱っこ』で持ち上げた。

「きゃん！」
「うっわぁ～！」

お姫様抱っこは何回か遭遇しているけど、持ち上げられる時の無重力感には、反射的に声が出てしまう。

クニミツはお姫様抱っこを初めて見たかのような、感嘆の声だ。

それに、高い――――！

「ね、姉さん！　どうしたの？」

「どうしたのじゃないわよ～。これもレッスンの内よ～」

問いかけにホズミは余裕のウィンクをパッチンとキメると、私を抱きかかえたままクニミツに指導を始めた――――。

「いい、クニミツ。耳をかっぽじって聞きなさい！」

「は、はい！」

「この横抱き、通称『お姫様抱っこ』は世界中のあらゆる女子をお姫様にしてあげられる抱き上げ方よ」

うおぉぉぉい！　流石にそれはちょっと、大袈裟でしょ！

心の中で思いっきり突っ込みを入れて、クニミツの方を見てみると――――

「はいっ！　承知しました！」

――――物凄く真剣に、受け止めてしまっていた。