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ラブカルチャースクール 3
第23章 Lesson 『挿入』問題
「ひゃっ!」

「ふわぁぁぁ~。良く寝たわぁ~」

腰が浮くほど驚いた弾みでマットの上で軽くバウンドしていると、ホズミはのんびりと欠伸をしながら起き上がる。

唖然としている私に、ホズミは優しく微笑み掛けてきた。

「チワワちゃん、ちょっと驚き過ぎじゃないの?」

「だ、だって……姉さんが起きていたなんて思っていなかったし、ましてや独り言まで聞かれちゃったんだもん。ドッカンと隕石を落とされた気分だよ~」

「あら~。それは大変だわ~」

私のへんてこな言い訳にも、ホズミは楽しそうに受け止めてくれる。

本当の女子よりも女子トークしているみたいで、ついつい姉さんには思ったまんまを言ってしまう。

ちょっといじけていると、ホズミはポンポンと軽く私の頭を撫でてきた。

「チワワちゃんが褒めてくれて、嬉しかったわよ~。凄く嬉しかったから、飛び起きてチワワちゃんをギュって抱き締めたくなったもの~」

「え、そんな!?」

「本当、ほんとう~。何なら今からでもギュッとしちゃうわよ~!」

「えぇぇぇっ!」

本気か冗談か――――ホズミは満面の笑顔で両腕を広げる。

別に姉さんにギュッとされるのは、コウセイより抵抗はないかもしれないけど、一応まだローブ姿だしな。

流石に若干、躊躇い気味になっているところ――――

「いい加減になさい」

凛とした声が響き渡り、疾風が頬の辺りに吹き抜けていった。

「へ?」

――――何!?

突如として起きた出来事に一瞬頭が真っ白になった途端、目の前でホズミが手でおでこを押さえて前のめりに項垂れた。

「姉さん!?」

「いってぇな~! お前これ、立派な凶器だぞっ!」

目にも止まらぬ早業で飛んできた物体は、ホズミを男言葉に戻す程の威力があったようだ。

その物体は、もう片方のホズミの手に憎々し気に握られている――――『扇子』。


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