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ラブカルチャースクール 3
第23章 Lesson 『挿入』問題

ホズミは横に椅子を並べると、後頭部からそっと手の載せて犬の頭を撫でるみたいに優しく摩ってくる。
「本当に、チワワちゃんは何も悪くないわよ。レッスン前にも言ったけど、あの子は型に嵌り過ぎなのよ。これは、あの子自身の問題なの」
「ありがとう……姉さん」
『でも』――――もっと他に策があったかもしれない。
私が無理に射精させなくても、クニミツが我慢した時点で緊急ボタンを押せば良かったんだ――――そう言ったとしても、単なる自分への言い訳にしかならない。
そして言えば言うほど、この人たちに気を使わせてしまう――――。
そう思ったら、もう何も言えなくなってしまった。
ギュっと喉の奥が痛くなってきて、ハナブサが淹れてくれたほうじ茶ラ・テを飲み込んで、痛みを誤魔化そうとしたが簡単には消えない。
気落ちしている私を三人は優しく見守ってくれながら、『クニミツ問題』の話を再開し始めた。
「では……しばらくクニミツは、実習から外すようにカミジョウさんにも許可を貰うことにする」
ヤナセは相変わらず見事なキータッチで、カタカタと入力をしながら対策を練っていく。
「そうね~。私も一緒に報告するわ」
「あぁ……頼む」
ハナブサもタブレットを出して、何やら操作を始めた。
「クニミツ用に、カリキュラムを組んでみます」
「あぁ~! ハナブサ、それなら『乙女心』講座を個人的にやらせてよ~!」
「乙女心講座とな?」
「技術だけ身に着けても仕方ないじゃないの。やっぱり乙女の心をキュゥンとさなきゃ男じゃないわ! なんならハナブサ、一緒に受講する?」
「……そうですね。受けましょうか?」
「えっ!? うっそ~。やっぱりあんたは受けなくていいわよ!」
「何故に?」
「だってあんた、絶対に扇子を飛ばす気でしょ!」
「そんなつもりはありませんが」
「ホズミ……お前が余計なことしなければ、ハナブサだって扇子を飛ばす必要はないと思うけど」
三人の軽快な会話に意識が引き付けられて、沈んでいた気持ちが軽くなっていくのを感じる。
口元に自然と、笑みが浮かんできた。
「本当に、チワワちゃんは何も悪くないわよ。レッスン前にも言ったけど、あの子は型に嵌り過ぎなのよ。これは、あの子自身の問題なの」
「ありがとう……姉さん」
『でも』――――もっと他に策があったかもしれない。
私が無理に射精させなくても、クニミツが我慢した時点で緊急ボタンを押せば良かったんだ――――そう言ったとしても、単なる自分への言い訳にしかならない。
そして言えば言うほど、この人たちに気を使わせてしまう――――。
そう思ったら、もう何も言えなくなってしまった。
ギュっと喉の奥が痛くなってきて、ハナブサが淹れてくれたほうじ茶ラ・テを飲み込んで、痛みを誤魔化そうとしたが簡単には消えない。
気落ちしている私を三人は優しく見守ってくれながら、『クニミツ問題』の話を再開し始めた。
「では……しばらくクニミツは、実習から外すようにカミジョウさんにも許可を貰うことにする」
ヤナセは相変わらず見事なキータッチで、カタカタと入力をしながら対策を練っていく。
「そうね~。私も一緒に報告するわ」
「あぁ……頼む」
ハナブサもタブレットを出して、何やら操作を始めた。
「クニミツ用に、カリキュラムを組んでみます」
「あぁ~! ハナブサ、それなら『乙女心』講座を個人的にやらせてよ~!」
「乙女心講座とな?」
「技術だけ身に着けても仕方ないじゃないの。やっぱり乙女の心をキュゥンとさなきゃ男じゃないわ! なんならハナブサ、一緒に受講する?」
「……そうですね。受けましょうか?」
「えっ!? うっそ~。やっぱりあんたは受けなくていいわよ!」
「何故に?」
「だってあんた、絶対に扇子を飛ばす気でしょ!」
「そんなつもりはありませんが」
「ホズミ……お前が余計なことしなければ、ハナブサだって扇子を飛ばす必要はないと思うけど」
三人の軽快な会話に意識が引き付けられて、沈んでいた気持ちが軽くなっていくのを感じる。
口元に自然と、笑みが浮かんできた。

