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ラブカルチャースクール 3
第23章 Lesson 『挿入』問題
そう言われればセイジも三二だけど、このタイミングで名前が出てくるのは、どういう意図だろう?

口の中のおかきを喉に詰まらせないようにごっくんと飲み込んで、恐る恐る視線を上げると――――二つのヘーゼルが美しく揺らめいている。

「琴海さん……クニミツの担当として、どうでしょうか?」

ジッと見つめ返してくるヤナセの瞳に導かれるように、頭の奥で点と点が繋がっていく。

「あ……」

そっか、別にたまたまではないのだ。

私が生徒で通っていた時に、一番レッスンに関わっていたのはセイジなのだから。

そして今クニミツのレッスンに一番関わっているから、講師としての判断を求められているのだろう。

それは、それで緊張が高まってくる。

「はい、セイジなら同世代としてフランクに、クニミツの話を親身に聞いてあげるだろうし、的確な判断出来るかと……でも……」

――――それって、スクールの大半の人が同じく思うことだよね?


問題はセイジからじゃなくて、『クニミツ』がセイジで大丈夫かってことの方が重要なのかも――――。

それに物凄く個人的な意見だけど、クニミツが私に挿入出来ない悩みをセイジから励ましたり、事細かくレクチャーされるのも微妙な気持ちになって――――あ、いやいや!
私は講師! 
ラブカルの女性講師なんだから、そんなこと思っちゃ――――う~ん。

いけないと何度も自身に言い聞かせてきたつもりでも、やっぱりセイジ絡みになると感情が先立ってしまう。

「セイジだと……まだクニミツが、付いていけいかもしれませんね」

まんまと負のループに嵌りそうになって頭が傾き掛けている所に、ヤナセがフォローを入れてくれた。

ヤナセ様ぁぁぁ――――!
後光が射して見えますぅぅぅ!

ヤナセの絶妙なフォローに、感動の余り床に土下座しそうな気持になる。

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