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ラブカルチャースクール 3
第24章 I Lesson 8回目
ちょっと、ちょっと!
アラタ、あんた何様! 殿様か!!

私のセイジ――――あっと、大先輩のカリスマ講師セイジに向かって、何ていう口の利き方してんのよ!
どうして素直に『すみません』って言えないのよ!

自分のしたことの非を認めないアラタの態度に、セイジの顔が更に険しくなった。
初っ端から険悪なムードである。

これは私が何とか宥めるしかないよね――――。

「アラタっ!」

私は大声で、アラタの名前を呼んだ。

「へっ?」
「琴海さん?」

突然の大声に二人が振り向いた時には、私は自分が出せる限りの力でジャンプしていた。

そして――――

「セイジさんに、謝りなさいっ!!」

張り上げた声と共にバレーのスパイクでもするように、アラタの頭に手を振り落とした――――のだが、間一髪でアラタが避けてしまった。

「わっ! ビックリしたぁ!」

アラタが避けたことによって行き場を無くした遠心力は、そのまま私自身に返ってきて着地した途端、前につんのめりそうになる。

「きゃぁ!」
「琴海っ!」

ボッフン! ――前のめりで突っ込んできたチワワをセイジが、咄嗟にお腹でキャッチしてくれた。

途端私の顔にセイジの温度が伝わってきて、爽やか香りに包まれる。

あぁぁぁ――――久々のセイジだぁ~。

ここの所緊張続きだったし、セイジ不足だったのもあったせいか、ここぞとばかりにクンカクンカとセイジの匂いを貪った。

お腹にくっ付いたまま動かない私に、セイジはいつもの優しい声で呼びかけてくる。

「琴海……さん。大丈夫?」

「ふぅん。しゃぁふぁふぇへふ」

『幸せです』――――と答えてしまったけど、セイジのお腹で掻き消されたから何を言ったかは分からないだろうな。

例え伝わらなくても、気にしない。

どんな理由であれ、今こうしてセイジの腕の中に居られる喜びを味わえているのだから。

そんな私の気持ちを知ってか知らずか、セイジは――――

「もう……早速、無茶するんだから」

少し甘い声で囁いた。

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