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ラブカルチャースクール 3
第24章 I Lesson 8回目
カチャ――――二人の所に戻ろうと、恐る恐るドアを開ける。

隙間からこっそり覗いてみたら、二人は強めの口調で何やら話をしていた。

嫌な予感がする――――。
話の内容が気になって、隙間から聞き耳を立ててみた。

「だから~俺には時間がないんですよ。セイジは良いじゃん! 選べる相手、何人もいるだろうけど、俺には今時点コトミしかいないだから」

「そう言う理由なら、余計駄目だろう。大体、誰かと付き合いたいなら何でこのスクールの講師になろうと思ったんだ。ルールのことは聞いているだろ」

「あぁ、だけどそのルールに惹かれたんだよな。何ていうか、困難が多い程燃えるし、そんな相手と巡り合えるなんて運命感じるじゃん」

「運命って……」

二人の声がハッキリしているお陰で、距離があっても内容がしっかり聞こえてくる。

セイジとアラタは、『ラブカルの掟』について話していた――――。

もしかしたらセイジもヤナセに、探るように言われているのかもしれない。
私が居ない内に、何か聞き出そうとしていたのかも――――。
ならもう少し様子見て、区切りが良いところで戻った方が得策かもしれないわね。

――――なんて、この時の私は勝手にそう思い込んでいた。


「アラタ、君の言い分は分かった。だけどそれはあくまでも君の願望や欲求を満たすだけの考えであって、スクールや琴海さんのことをちゃんと考えているようには、俺には思えないけど」

セイジの語調は、相変わらず強かった。

どんな流れで始まったかは分からないけど、アラタがマイウェイで勝手なことを言っているに違いない。

優しいセイジに、こんな言い方をさせるアラタに怒りが込み上がるそうになる。

それに相変わらずの『タメ口』。

ヤナセに対しては敬語だったのに、なんでセイジには馴れ馴れしいのよ!

これも許せない要因の一つだ。

「頑張って~セイジ……」

二人には聞こえないくらいの小声で、ドアの隙間から愛するセイジにエールを送った。

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