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ラブカルチャースクール 3
第24章 I Lesson 8回目
今セイジが伝えた言葉で納得すればいいものの、アラタはまだ引こうとしない。

「いや、コトミのことを考えれば、早く相手が決まっていた方が良いんじゃないの? そうすればコトミだって無駄に狙われなくて済むじゃん」

「狙われるって、あのな……」

え――――私、誰かに狙われてるの?
改正阻止が出来なかったら、暗殺されるとか!?
反対勢力はそこまでして、掟改正を阻止したいの――――。

途端私の頭の中には、ラブカルサスペンス劇場が新たなる展開に突入していく。

話の規模が益々大きくなっているどころか不吉な方に進んでいることに、不安と緊張が否応なしに増してくる。

引き続き、二人の会話を固唾を飲んで見守った。

「掟がもし改正されたとしても、対象講師がここぞとばかり行動を起こすとは限らないだろう。勝手な憶測で、スクールの風紀が乱れたら君に責任が取れるのかい?」

「ははは……責任って大袈裟じゃないの? 希望的観測で言っているだけだし」

セイジに厳しく問い詰められたアラタがちょっと怯んだ姿に、私は思わずガッツポーズをした。

セイジ――――!!
素敵――――! 大好き――――!!

あくまでもセイジはラブカルの掟のことを言及しているのに、自分のために戦ってくれているような気持になってテンションが上がってしまう。

ヤナセが言った通り、本当に今日の担当講師は頼りになります!
それはセイジ、セイジだけどね!

握った拳をブンブン上下に振って更衣室で私が一人で盛り上がっている間にも、セイジはアラタに猛追を掛ける。

「とにかく不確定なことに希望的観測なんてする必要ないし、琴海さんを勝手に君の運命の相手にするな。これ以上余計な噂や情報を流したら処罰対象になるぞ!」

「は、はぁ……」

「あとな、レッスンは余計な感情入れるなよ。琴海さんは担当する生徒だと思って、しっかり講師として向き合えるように成長しろ」

アラタを真っ直ぐ見据えて毅然と言い切ったセイジは、堂々としていて、凄く頼もしくて――――輝いて見えた。

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