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ラブカルチャースクール 3
第24章 I Lesson 8回目
「……分かり、ました」

止めを刺されたアラタは、ぐうの音も出ない様子で言い淀む。

セイジ――――ブラボー! 素敵ぃぃぃ! 
流石ラブカルで人気を誇るカリスマ講師!

本気で拍手したい気持ちを抑えて、開いた両手をフルフル震わせながらエア握手をする。

私が感動に打ち震えていると、セイジが更衣室の方に視線を向けてきた。

「琴海さん、遅いな?」

いつまで経っても更衣室から出てこない私を心配したのか、セイジが更衣室に向かってくる。

あ、しまった!
会話を聞いていたからとはいえ、確かに着替えるには時間が掛かり過ぎているよね。

急いで飛び出そうとしたが、一歩遅かった――――。

更衣室の前まで到着したセイジと、ドアの隙間から目が合ってしまったのだ。

途端、セイジの眼が驚いたように見開く。

「……!」
「あ……」

セイジのことだから、私が立ち聞きしていたのをきっと気付いた筈だ。

このタイミングで直ぐに飛び出せばよかったものの、ちょっと気まずく思って、セイジから視線を逸らす。

待ちに待った再会なのに、今セイジにどう思われているだろう――――。

でもレッスンを始めるために、ここからは出ないといけないのだから、後できちんと謝ろう!

意を決してドアノブに手を伸ばそうとした瞬間――――セイジが勢いよくドアを開けて、入ってきた。

「琴海さんっ! 大丈夫?」

何故か慌てた声を発して入ってきセイジは、瞬く間に両手で私の頬を挟むと、互いの唇と唇を軽く触れ合わせる。

「へ?」

「どうした?」

外でアラタが驚いている声が響く。

一瞬の出来事で一体何が起きたのか、直ぐには頭が追い付かない。

呆然としてセイジの顔を見上げると、セイジは悲しそうに微笑んだ。

「琴海……今日、頑張ろうね……」

「セイジ……」

『頑張って』じゃなくて『頑張ろうね』って、それは一緒にってことかな??

私とセイジはお互いの心を繋げるかのように、ジッと見詰め合った――――。

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