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ラブカルチャースクール 3
第24章 I Lesson 8回目
「じゃぁ、時間もなくなるしレッスン……始めようか……」

セイジは少し低めの声でそう告げると、私の背中に手を添えて更衣室をドアに向かう。

アラタの後に続くようにレッスン室に戻る間、セイジがした一連の行動を振り返る。

咄嗟だったのにあれだけの行動と台詞を言えるなんて、凄いな~セイジ。

ラブカルの人気講師でスクール側の信頼も得られているだけに、臨機応変な対処は慣れているのだろうけど、ここまで見事だと贔屓目なしにしても頼りになるしカッコいい。

出会った頃から、こうだったっけ?
それとも重ねてきた『嘘』が、セイジを変えてしまったってことはないだろうか?

ごめんね――――セイジ。
セイジにこれ以上嘘を吐かせないためにも、早く立派な女性講師になるから!

今日は色んな意味でしんどくて、厳しいレッスンになるのは見えている。

何とか無事に終わるよう、セイジに辛い思いをさせないよう、自分の弱さに立ち向かう勇気を奮い立たせた。


――――と、心の中であんなに豪語したものの、いざレッスンを始めようとすると決意が鈍りそうになる。

「さあ、コトミ! 張り切ってレッスン始めようぜ!」

目の前には目を輝かせ、鼻息の荒いアラタ。

視界の端には、明らかに顔つきが怖くなっているセイジ。

仕方がないとはいえ、実際こうなると身も心も竦む。

生徒だった時も緊張したけど、今は別の意味で身体が震えそうだ。

「う、うん……」

気まずそうにしている私に痺れを切らしたように、アラタの方から行動を開始してきた。

「緊張してるの? こういうレッスン普通ないもんな~」

私を生徒として扱っているのか、立ち合いレッスンのシチュエーションのことなのかは分からないけど、そう言いながらアラタは両腕を天井に向けてグッと伸ばしだす。

その発言と動きとがちょっとアラタっぽくなくて、釣られるように視線を上げると、アラタはニカっと笑って、伸ばしていた腕を一気に私の身体に巻き付けてきた。

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