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ラブカルチャースクール 3
第24章 I Lesson 8回目
「ラブカルを受講する生徒は、向き合いたい相手が居る人に限られているんだよ。その相手との関係に悩んで勇気を振り絞ってレッスンを受けるんだよ。その意味わかってる?」

そうだ――――私だって、最初は旦那との関係を何とか改善したいと思って、このスクールに救いを求めた。

だけどその救いを求めた場所で、セイジに出会った――――。

だから凄く分かる。

全身全霊で辛い気持ちを理解してくれて、優しく包んでくれたら、『好き』になってしまう可能性はあるのだ。

だからこそ『講師と恋愛関係になってはいけない』『個人的に外で会うことはしてはいけない』とのルールが存在している――――。

それなのにアラタみたいに軽いノリで言われたら、このルールの重みが軽くなってしまいそうな気がしてしまったのだ。

――――何て綺麗ごと並べているけど心の奥底は、アラタに設定でも『恋人』と思われたくないのが本音だったりする。

などと私の心の中の熱弁を読み取れる訳もないアラタは、絡みつかせていた腕を解いて首を傾げた。

「そうだな~。実際生徒と話してみないと分からないけどさ……このスクールに来るって、凄いパワー要ると思うんだよね」

「うん!」

ちょっとまともな意見を言いそうなアラタに、期待値が上がりかけたが――――

「でも落ち着いて考えればさ~。セックスの学校に通ってまでして、相手に執着する必要あるのかな?」 

「はい?」

――――昇りかけた期待は、一気に下降していく。

そして嫌な予感が嵐の前の暗雲のように、モクモクと胸の中に立ち込めてきた。

これ以上喋らせない方が、身のためな気がする。

でも例え問題発言をされようとも、芽を摘むなら今の内でもある。

これは私が判断するべきなのかな――――?

どうしたらいいか考えあぐねていると、立ち合い講師が透かさず動いた。

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