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ラブカルチャースクール 3
第24章 I Lesson 8回目
小刻みに震えている私へセイジが一瞬手を伸ばし掛けたが、空を掴むように拳を作る。

セイジは眉根を寄せ、少し躊躇いながら答えを返す。

「レッスン、中止にしているからね。長いこと二人で居るのも……」

気まずそうに濁した末尾は、何て言おうとしていたのか気になったが、セイジもそのまま口を噤んでしまったから、敢えて聞き返そうとは思わなかった。

「そう、だよね。いつまでも、ここで二人でいる理由はないもんね」

これ以上の答えは、もうでないことをお互い理解している。

頭では解っているけど――――心が分かろうとしない。

「ヤナセに、連絡入れる。教室に戻って、報告しないといけないし」

「うん……お願いします」

レッスンの終わりを告げるかのように、セイジがタブレットを操作してヤナセに連絡を取り始めた。

その動作をジッと見詰めながら、自分の気持ちの整理をしていく。

ヤナセの所に戻る前にこの気持ちをなかったことにしなければ、絶対に見破られる。

神がかり的な千里眼を持つヤナセに、隠し事は出来ないもの。

報告の時、セイジは傍に居てくれるのかな?
寧ろ、居ない方がいいのかな?

この状態だと、セイジの講師室にも当分近付かない方が良いのかもしれない。

感情のままセイジに会いに行ったら、きっとへまをやらかしてしまいそうだし、そのタイミングでまたセルジュとかに遭遇したら上手く誤魔化せないかも。

折角、セイジが戻ってきたのに、色々と辛い――――。

今同じ校舎に居て、会おうと思ったら会えるのに、いつの間にか凄く贅沢になっている自分が情けなかった。

悶々と自分を戒めていると、セイジが急に驚きだした。

「え……マジ?」

タブレットを凝視して、セイジが固まっている。

何か起きたのだろうか?

「セイジ?」

おずおずと声を掛けると、セイジは目を見開いて唖然としていた。

「ヤナセから返信で……まだアラタに説教中だから、もうしばらくここに居てくれって。終わったら連絡するからだって」

「えぇぇっ!?」

まさかの延長タイム、突入である――――。

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