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ラブカルチャースクール 3
第24章 I Lesson 8回目
「はい、降ろすよ」
「ありがとう!」

セイジはベッドの上に、貴重品でも扱うかのようにゆっくり丁寧に私を降ろして座らせた。

前にもワタリが同じ感じで私を持ち上げたけど、その時は猫にでもなった気分でダラーンと運ばれた感じだったから、えらい違いである。

当時は凄く怖かったことも、今となっては良い思い出だな――――。

自分の情けないに姿の記憶にクスクス笑っていると、隣に楽々と腰を掛けたセイジが首を傾けて顔を覗き込んできた。

「琴海、何か楽しそうだね」

そういうセイジも明るい笑顔で、楽しそうに見える。

「うん! 何か今までのことを思い返すと、講師としてこうしてセイジといるのが夢みたいだなって思って」

「夢か……それを言ったら俺だって、初めて琴海と会った時のことを思うと、夢みたいだよ」

「セイジ……」

今のセイジの言葉に、ますます胸がキュゥゥゥゥ――――ンと高鳴る。

セイジはずっと、私と初めて会った時のことを忘れないでいてくれているんだ。

その時をことを聞かされたのは、私の実家にセイジを招いた時だったっけ。

飼っている猫の雨海を拾った日――――知らず知らず、私とセイジは出会っていて、セイジはずっと私のことを記憶に残していてくれた。

こんな素敵な人が、自分なんかのことを忘れないでいてくれただけでも奇跡なのに、私たちは再び巡り逢った――――この『ラブカル』で。

「ありがとうセイジ……私なんかのことを見付けてくれて……」

「ははは、雨海が巡り合わせてくれたんだね」

「ふふふ、そうだね。……ん? もしかして、私って雨猫のおまけだったのかな?」

改めて思い返すと、実家の方で出会った時もセイジは雨海のことが気になっていた。

後々その猫を私が拾っていた偶然があったけど、元はと言えば猫の方を気にしていた訳だよね?

よくよく考えると、猫のお陰で私はセイジに出会えたってことじゃない?

「琴海がおまけな訳ないだろ! もう相変わらず琴海は面白い発想に飛ぶな~」

いきなり謎のループに嵌り出して思考の海原に出航し始めかけた私をセイジは咄嗟に引き戻した。

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