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ラブカルチャースクール 3
第24章 I Lesson 8回目
言わなきゃ良かった――――こんな甘ったれたこと、ただセイジを困らせるだけだった。

折角の二人っきりの時間を自分で台無しにしてしまったな。

せめて何か話題を変えようと思っても、思いのほかさっきの会話のダメージが大きくて言葉が中々思い付かない。

「あ……えっと」

「まだ説教タイム続いているかのかな……」

「そうだね……」

今の言葉は、どういう意味だろ?
セイジもこの空気に耐えられなくなっているのかな?

早くアラタの説教が終わればいいと思っていたり――――。

負のループは更に新たな負を生んでいき、気持ちがどんどんし沈んでいく。

「早く……終わった方がいいよね? セイジも出張から戻ったばかりで疲れているだろうし、やらなきゃいけないこと沢山あるもんね。何だったら私、ここで一人でいるからセイジは先に講師室へ戻っていても大丈夫だよ!」

これ以上私の欲望に付き合わせる訳にはいかないと、自分自身に正論を突き付けたけど、本当は居た堪れないのだ。

これ以上セイジを困らせて、嫌われたくない――――。

勝手な主張を一気に捲し立てて、言い終わると今度はぎゅぅっと目を瞑って貝のように閉じこもろうとした。

セイジ、こんな私でごめんね。
まだまだ講師として、ダメダメだ。

肩を窄めて項垂れていると、セイジがベッドから離れる気配を感じた――――。

あ、やっぱり部屋に帰っちゃうよね。

自分で追い出すようなことを言っておいても、実際そうされると胸が痛む。

「琴海……」

「うん……」

レッスン室を去る前に声を掛けてくれるセイジの優しさが、この期に及んで嬉しかった。

嬉しさ七割、怖さ三割――――おずおずと顔を上げると、

「琴海は俺を早く外に出したいの?」

目の前には、不満げに唇を尖らせているセイジの顔がドアップであった。


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