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ラブカルチャースクール 3
第25章 Lesson 尊敬と愛
「あぁ……大丈夫だ。アラタのことは想定範囲だったから」

なんと! やっぱりヤナセは何でもお見通しなんだ。

ヤナセの中では、今日のレッスンが中止になることは予想されていたことが分かって、凄くほっとした。

成り行き上仕方なかったとはいえ、またヤナセに迷惑を掛けてしまうと、不安もあったから――――。

「はは、そうだったんだ」

「今日が……セイジで助かったよ。アラタはかなりは問題が多いからね」

「ヤナセにそう言って貰えるなら、良かった」

「そう? もっと……自信を持って良いと思うけど」

そう言ってヤナセが微笑むと、セイジは照れ臭そうにはにかんだ。

二人の会話を聞いていると、胸の辺りがほんわかと温かくなって安堵感が広がる。

そうだよね――――セイジだって、中止が絶対正解かは分からなかったよね。

でも、こうやってヤナセに『信頼』を寄せて貰えたら、セイジだって安心するに決まっている。

それにしてもセイジとヤナセの会話を聞くのって、いつぶりだろ――――。

二人ともまた普段とでちょっと雰囲気が変わるから、見ていて楽しくなるんだよね。

ワクワクしながら二人を見ていたら、ヤナセが私の方に視線を向けてきた。

好奇心で目を輝かせていた私に、ヤナセは宝石のようなヘーゼルの瞳を煌めかせ麗しい微笑みを向けてくる。

あぁぁぁ――――眩しい!

思わず反射的に視線を遮ろうと、両手を顔の前でクロスさせてしまった。

「クスクス……琴海さん、お待たせしてすみません。まだ他の三人はレッスン中ですので、その間に報告を聞かせてください」

「あ……はい。畏まりました」

「いつも……琴海さんの報告は最後でしたから、最初に伺うのは新鮮ですね」

ヤナセは美しい笑顔をキープしたまま、スマートに話を進めていく。

「はい、そうですよね……」

どうやらヤナセは私の挙動不審な行動なんぞ、全くもって気にしていないようです。


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