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ラブカルチャースクール 3
第25章 Lesson 尊敬と愛
まぁそりゃ、ずっとヤナセに担当して貰っていたんだもの。
私のヘンテコな行動にも、今更慣れっこだよね。
ヤナセ相手に、下手に意識する必要はないのかも。

頭の中で自分の頭をコツンと叩くのを想像しながら自分の席に着くと、セイジが隣のジュリの席の椅子を動かして座った。

まさかセイジが隣に座るなんて思っていなかったから、脳みそが一気にピンク色になって、身体が宙に浮きそうな気分になりそうだ――――ったけど、私たちの前にはしっかりと、ヤナセ様がお座りになられたから、慌てて椅子の端を両手で掴んだ。

流石にこういう理由でのヘンテコ行動は出来ないわ。

椅子にしがみ付いて、肩を窄めて眉間に皺を寄せている私の様子に、セイジが首を傾げる。

「琴海さん、どうしたの?」

「あ、うん。ちょっと座り心地が……」

――――毎日座っているのだから座り心地なんかおかしくない訳ないけど、何でも見通してしまうヤナセの前では緊張感が半端なくて、余計に意味不明になってしまう。

ごめんねセイジ――――貴方と隣同士に座れて嬉しくて、空を飛びそうになっているなんて今は言えないの!

唇を噛んでグッと堪える私をセイジは不思議そうに見詰めてから、その視線をヤナセの方に移すのだけど、セイジの視線の訴えにヤナセは小さく笑うだけだった。

そして私はヤナセの微笑みの謎に、なけなしの肝が更に小さく縮こまる。

この報告会が終わるまで、私の精神力は持つのだろうか――――。

「では……始めましょうか」

一回り小さくなっているチワワに敢えて触れることなく妖艶な魔導士は、口元に笑みを湛えたまま報告会を進めていく。

「レッスンを……中止した後、カミジョウさんと一緒にアラタに前回のこともあったからより一層厳重に指導はしたが……」

ここで一旦ヤナセが言葉を切ると、その先を紡ぐようにセイジが話し出した――――。


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