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ラブカルチャースクール 3
第5章 Lesson 体力作り

――――その時
「琴海さん!」
いつも聞きなれた声が、いつもよりハッキリと聞こえてきた。
「ヤナセ……さん」
ライトブラウンの髪がジムの照明で輝いて、眩しく見える。
あぁ~光り王子登場だぁ~!
一瞬にして胸の中を支配しようとしていた暗雲が、退散していく。
闇王子もヤナセの登場に口を閉じ、渓谷の奥で妖しく揺らめかせていた瞳を軽く細めた。
私たちの近くに寄って来たヤナセの表情が、いつもより険しく見える。
ヤナセは伸ばしてきた手で私を一歩退かせながら、闇王子の前に立ちはだかった。
「イオリ……私の担当の研修生がどうかしましたか?」
普段の口調に戻ったヤナセは、闇王子――こと『イオリ』とやらに光射すような眩い笑顔を向ける。
「フッ……挨拶をしていただけだが」
「クス……それはわざわざどうも。ではもう用はないでしょうから、失敬しますよ」
お互い穏やかそうに含み笑いをしているが、この世のモノとは思えないオーラを放つ二人の会話に今にも時空を超えた戦いでも始まりそうな空気だ。
ヒュォォォォォ――――!!
まるでここだけ、ブリザードが吹き付けている光景が見えた気がする。
明らかに漂う異様な空気に他の講師たちも、遠巻きにして距離を置き始める。
「琴海さん、背筋の方に参りましょう」
「はい……」
ヤナセは集まる視線を遮るように立ち位置を変えて、私の背中に手を宛がい移動を促してきた。
「琴海さん!」
いつも聞きなれた声が、いつもよりハッキリと聞こえてきた。
「ヤナセ……さん」
ライトブラウンの髪がジムの照明で輝いて、眩しく見える。
あぁ~光り王子登場だぁ~!
一瞬にして胸の中を支配しようとしていた暗雲が、退散していく。
闇王子もヤナセの登場に口を閉じ、渓谷の奥で妖しく揺らめかせていた瞳を軽く細めた。
私たちの近くに寄って来たヤナセの表情が、いつもより険しく見える。
ヤナセは伸ばしてきた手で私を一歩退かせながら、闇王子の前に立ちはだかった。
「イオリ……私の担当の研修生がどうかしましたか?」
普段の口調に戻ったヤナセは、闇王子――こと『イオリ』とやらに光射すような眩い笑顔を向ける。
「フッ……挨拶をしていただけだが」
「クス……それはわざわざどうも。ではもう用はないでしょうから、失敬しますよ」
お互い穏やかそうに含み笑いをしているが、この世のモノとは思えないオーラを放つ二人の会話に今にも時空を超えた戦いでも始まりそうな空気だ。
ヒュォォォォォ――――!!
まるでここだけ、ブリザードが吹き付けている光景が見えた気がする。
明らかに漂う異様な空気に他の講師たちも、遠巻きにして距離を置き始める。
「琴海さん、背筋の方に参りましょう」
「はい……」
ヤナセは集まる視線を遮るように立ち位置を変えて、私の背中に手を宛がい移動を促してきた。

