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ラブカルチャースクール 3
第25章 Lesson 尊敬と愛

自分自身も胸の痛みを感じながら、感情を押し殺すように表情を変えずにセイジの言葉を静かに聞き続ける。
「ヤナセもカミジョウさんからも、俺以上に厳しく言って貰っているから、今までみたいな露骨なアピールはしてこないとは思うけど……完全に安心出来るかと言ったら断言はできないから、また何かしてくる可能性もあるかもしれない」
「はい」
「こんなことを言うのもなんだけど……アラタの琴海さんへの気持ちは、余り純粋なものではないと思うんだ」
「うん、私もそれは感じた」
「そっか……」
私の返事にセイジは少し困ったような、苦笑いしているような――――何とも言い難い表情を露わにした。
そんな表情を見せたセイジの気持ちが気になったけど、今はそれを探る時ではないのだから、そっと心の片隅に寄せて置く。
数秒の間を空けて、セイジは端正な唇を開いた。
「アラタの行動原理は、虚栄だったり自尊心や承認欲求だ。これは誰でも持ち合わせているし個人レベルなら仕方ないことだけど、このスクールには必要ない欲求だ」
「……うん」
講師の虚栄心なんて、何の役にも立たないからだ。
ラブカルの講師に必要なのは、勇気を出して通ってきた生徒を確実に幸せに導く責任感という『プライド』だろう。
「アラタは慢心しやすい性格だから、認められて当たり前だと思っているんだろう。だからこそこの特殊なスクールの講師に興味を持った上に、自分の実力を試してみたいと烏滸がましい考えが、敵陣に利用されたと考えられる。そしてそれは、これからも続くかもしれない……」
「うん」
「今回のことも含めて何らかの理由を付けて、アラタを除籍することは容易に思えるかもしれないけど、それも敵に足元をすくわれる材料にされるかもしれない」
「何かにつけて、掟改正を阻止してこようとするのね」
表向きは『掟改正案棄却』のようで、真の目的は――――ヤナセ派を潰すことだから。
「ヤナセもカミジョウさんからも、俺以上に厳しく言って貰っているから、今までみたいな露骨なアピールはしてこないとは思うけど……完全に安心出来るかと言ったら断言はできないから、また何かしてくる可能性もあるかもしれない」
「はい」
「こんなことを言うのもなんだけど……アラタの琴海さんへの気持ちは、余り純粋なものではないと思うんだ」
「うん、私もそれは感じた」
「そっか……」
私の返事にセイジは少し困ったような、苦笑いしているような――――何とも言い難い表情を露わにした。
そんな表情を見せたセイジの気持ちが気になったけど、今はそれを探る時ではないのだから、そっと心の片隅に寄せて置く。
数秒の間を空けて、セイジは端正な唇を開いた。
「アラタの行動原理は、虚栄だったり自尊心や承認欲求だ。これは誰でも持ち合わせているし個人レベルなら仕方ないことだけど、このスクールには必要ない欲求だ」
「……うん」
講師の虚栄心なんて、何の役にも立たないからだ。
ラブカルの講師に必要なのは、勇気を出して通ってきた生徒を確実に幸せに導く責任感という『プライド』だろう。
「アラタは慢心しやすい性格だから、認められて当たり前だと思っているんだろう。だからこそこの特殊なスクールの講師に興味を持った上に、自分の実力を試してみたいと烏滸がましい考えが、敵陣に利用されたと考えられる。そしてそれは、これからも続くかもしれない……」
「うん」
「今回のことも含めて何らかの理由を付けて、アラタを除籍することは容易に思えるかもしれないけど、それも敵に足元をすくわれる材料にされるかもしれない」
「何かにつけて、掟改正を阻止してこようとするのね」
表向きは『掟改正案棄却』のようで、真の目的は――――ヤナセ派を潰すことだから。

