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ラブカルチャースクール 3
第26章 Lesson ご褒美


「次のレッスンは……相手の講師を選んで頂きます」

各自の報告が終わった後、ヤナセから告げられたのは『講師選択レッスン』だった――――。

途端、心臓が飛び跳ねそうになったと同時に隣から奇声が上がる。

「きゃぁぁぁぁ~! マジですか!? ヤリたい相手とレッスン出来るってことですよね!」

余りにもストレートなジュリの質問に、私も含めカレンとサナも微妙な表情になって少し俯いた。

た、確かに、凄く気になる所だけど『ヤリたい』なんて言い方しないでよ~!

まだ詳細は聞いていないけど、選んだ講師とレッスンしたいのが見え見えに思われてしまうなら、安易に『セイジ』を選べなくなってしまうじゃないの!

頭の中の大半がセイジで出来ている私は、咄嗟にそんなことを考えてしまう。

引き攣りそうな表情筋を何とか宥めようとしていると、教壇からの心地の良い声が頬を撫でて鼓膜を優しく擽ってきた。

「はい……端的に言えば、そういうことですね。ずっと気を遣うレッスンが続いたので、気分転換の意味も含めて気心知れた講師を選んで頂けたらと……」

あぁ――――それは何て魅力的なレッスン。

やはり願わくば、セイジを選ばせて頂きたいです。

ヤナセの色っぽい声と、レッスン内容にうっとりと陶酔していく。

次回のレッスンへの期待値を上げつつ、セイジとの甘いレッスンを妄想仕掛けた時――――。

「今回は……今までレッスンを受けたことのないけど、実技レッスンを受けてみたい講師を選んで頂くのも可能です」

「え……レッスンを受けたことのない講師?」

そんな賭けみたいなレッスンを受ける勇気は元よりないけど、ヤナセの言葉に一瞬数名頭を過っていく。

その中には恐れ多くもカミジョウさんまで浮かんでしまったのだけど、漆黒の艶やかな髪がたなびく光景が脳裏を掠めた。

「……っ!」

なんで!? ――――その人物が浮かんだことに自分自身でも困惑する。

ジムでしか会ったことない『闇王子』。

立っているだけで一気に周りを鬱蒼とした森の中に迷い込ませるような気分にさせるオーラを放っていた。

「因みに、ヤナセさんを選んで良いんですか~!」

真っ黒な霧に包まれかけた思考をピンク色のバズーカ砲が粉砕してきた。


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