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ラブカルチャースクール 3
第26章 Lesson ご褒美
どうしたんだろ?

「サナ?」

「あ、ごめん。トレーニング、行こう!」

「うん」

何か言いたそうなサナの様子が気になったけど、無理に聞き出すのも気が引けるから、このまま話を終わらせた方が良いだろう。

モヤモヤを吹き飛ばすためにも、運動して汗をかいてスッキリしよう。

気持ちを入れ替えて、トレーニング室に入るドアを開けた時だった――――。

「わっ!」

「きゃ! なにっ?」

大きな人影が、丁度開け放ったドアの前に立ちはだかった。

デカ! 壁! 岩!?

ラブカルの男性講師は、一七五センチ以上が基本である。

だけど一七二センチのサナより人影は、優に大きかった。

一瞬、巨人『ワタリ』かと思ったが――――

「すんませんっ!」

「こちらこそ……って、ナツ!」

大きな影の正体は『ナツ』だった。

「ああああああっ! コトミさんだ! ご無沙汰してるっすぅぅぅ!」

私と分かった途端、ナツは満面に人懐っこい笑顔を浮かべて喜んだ。

レッスンとミッションと色んなことで緊張がが続いていただけに、屈託なく笑ってくれる気心しれた相手の存在が凄く嬉しく思えた。

「うんうん! 同じ構内にいるのに、中々会えないもんね! 元気にしてる?」

講師としては先輩だけど、レッスンを受けてない今ではナツは可愛い弟みたいな感覚だ。

私にとっては気負わず話せる、貴重な講師の一人でもある。

「元気っす! それしか取り柄がないっすからね」

何気に自分でディスっておいて親指立ててウインクする辺りが、ナツらしくて微笑ましい。

思わずナツお笑顔に釣られて、自然と笑顔になる。

この明るさと笑顔と、どこか放っておけない人懐っこさは、ナツの最大の武器だと思った。

「そっか、元気なら良かったよ」

「身体は元気なんすけどね~中々、俺が昇進出来ないからハヤトさんにも余り会えなくて、ちょっと寂しいっすよ」

「ふふ、そっか~。それは寂しいね」

私はハヤトに会えなくても寂しくないけど、ハヤトのことを兄のように慕っているナツは心底寂しいんだろうなと共感できた。

「じゃぁハヤトの傍に行くためにも、早く特別講師に昇進出来るように頑張らないとね!」

「はい! 大好きなハヤトさんや、セイジさんもいるから頑張るっすぅぅぅ!!」


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