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ラブカルチャースクール 3
第26章 Lesson ご褒美
「なっ!?」

なんで、ここでセイジの名前が出てくんの!
てかナツまで、セイジのこと大好きなのぉぉぉ――――!!

ここでまたセイジのことを好きなひとが登場して、私の脳みそもハートも大噴火しそうになった。

「う、うん……期待してるよ……。じゃぁまたね」

これ以上セイジを巡るライバルに会うのが居た堪れなくなって、ジムの隅っこにでも行こうとよそよそしくナツに手を振る。

「はい! またっす!」

そんな私の嫉妬心も知る由どころか全くもって気付かないナツは、真夏の太陽の見たいに眩しい笑顔で、天に伸ばした腕を大きく左右にブンブンと振ってくれた。

ナツの笑顔を見ているだけで、罪悪感に襲われる。

あぁぁ、いい子だな~。

やり過ぎちゃったり、空気読めないところあるけど、ナツの純粋さに触れると自分の淀んだ気持ちが浄化される気分だ。

手を振って去って行くナツに、自然と笑顔を浮かべながら手を振り返す自分がいた。

「あの子、コトミのレッスン担当してたの?」

「わっ! う、うん!」

「悪い、驚かせた?」

ナツとの再会に浸ってしまい、不意にサナに声を掛けられたことに無駄に驚いてしまった。

「私こそ、ごめんね。そう、ナツはスタンダードの時の五人の内の一人だったんだ」

「ふ~ん。可愛い子だよね」

私の言葉を聞きながら、サナの視線がナツの背中を追っていることに気付く。

「え……うん! でっかいワンコみたいだよ! ちょっとやり過ぎちゃってヤナセに叱られることもあったけど、凄くいい子だよ!」

「はは! ヤナセに怒られたんだ。さぞビビっただろうね」

珍しくサナが柔らかい表情で、気さくに話している。

それが凄く嬉しく思えて、更にナツトークを続けた。

「うんうん! めちゃ落ち込んでたもん!」

「だよね。しょげた耳と尻尾が見えそうだな」

「ぷぷぷ! まさにそんな感じだった~」

ナツの話をしているだけで、私とサナは久々に心から楽しく笑えていた。

自然と人を顔にさせるナツに少し興味を持ったサナが、今後どうなって行くかは今は分からない――――。

ただ、私にとっても大事な二人がどんな方向に進もうとも、幸せになって欲しいと願わずにはいられないだろう――――。


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