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ラブカルチャースクール 3
第26章 Lesson ご褒美


「へぇ~。そんなことがあったんだ」

「うん! サナとナツなんて意外そうだけど、悪くないかもって思った」

セイジが出張から帰ってきてから、久々の講師室にお忍びにやってきた。

テンション高く話す私に相槌を打ちながら、紅茶を淹れてくれているセイジの後ろ姿に見惚れてしまう。

「はい、お待たせ。ダージリンだよ」

「わ~! ありがとう!」

両手にカップ持って微笑み、テーブル越しに一つ私の前に差し出してくれる一連のセイジの動きがドラマでも見ている気分になって、頭の中にバッチリ録画される。

一人でいても、セイジの動き一つ一つを反芻して幸せな気持ちになれるわ~。

――――なんて、今からにやけてしまいそうだ。

「琴海、凄く好きなんだね」

カップを持ったまま隣に座ったセイジが、そう言って微笑んだ。

ドッキュゥゥゥン! 
私の妄想が駄々洩れたのか、セイジに考えていることを読まれてしまったみたいだ。

「そそそれは……勿論だよ……」

『セイジのこと大好きに決まってるじゃない!』――――って、言いたいけど、二人っきりでもハッキリ『好き』って今は言えない。

何にセイジは、なんでそんなことを聞くのだろう?

照れ気味にセイジを見詰め返すと、そんな私の視線にセイジは優しい笑顔で返してきた。

ドッキュゥゥゥ――――ン!!
見慣れている笑顔なのに、何度みてもときめきが止まらないんですけど!

真っ赤になっているとセイジカップに口をつけ、紅茶を一口啜るとカップをテーブルに置いて、改めて私の方に身体を向き直す。

「琴海は、サナとナツのことが大好きなんだね。二人の話をしている時の琴海が凄く楽しそうだからさ」

「あ……」

『好き』って、サナとナツのことだったんだぁぁぁ!

今度は恥ずかしさで、顔が赤くなってしまう。

勘違いして勝手に茹で蛸になっている私の頭にセイジはそっと手を添えると、甘く微笑んだ。

「そんなに照れなくても大丈夫だよ。琴海が仲間のことを大事にしているってことなんだから」

「うん……ありがと」

単純に自分の勘違いが恥ずかしかっただけなのに、そんな風に思ってくれたセイジの優しさが、更に私のハートを激しくバウンドさせた。


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